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NYのシティー派 ラグジュアリーから普段使いまで マイケル・コース

 「ニューヨークのシティー派」と評される米マイケル・コースは、洗練された実用性の高い服やバッグで知られている。「仕事を持つ自立した女性が、忙しい中でもおしゃれを楽しめるように」という、デザイナーのコース自身の考えから作られたコレクションは、ラグジュアリーから普段使いの小物まで幅広い品ぞろえ。東京・六本木の六本木ヒルズ店には最近、大切な人へのクリスマスプレゼントを探しに訪れる男性や、カップルの姿が増えている。

 東京・六本木ヒルズのけやき坂通りに面したマイケル・コースの旗艦店は、高級ブランドが立ち並ぶ一画にある。2階建て、約230平方メートルのフロアには、外国人客も目立ち、六本木に遊びに来たついでに訪ねる若者層も多い。ラグジュアリーな100万円以上のコレクションと、数万~10万円台のセカンドライン「マイケル マイケル・コース」のウィメンズを中心とするラインアップだ。

 高額な商品には手が出なくとも、数千円台から買えるアクセサリー、数万円台からそろうバッグや靴、時計もある。クリスマスプレゼントにはぴったりだ。「若いカップルが訪ねて来られて、男性が女性に『買ってあげるよ』なんてお話ししている姿も見かけます」(広報)という。

 デザイナーが自らの名前を冠したマイケル・コースは1981年、ニューヨークで創業。機能的かつ洗練されたデザインは、オンにもオフにも活用できることで米国の働く女性たちに広く支持された。

 コースは98年から数年間、セリーヌのデザイナーに就任。マダム向けイメージの強かったブランドの若返りに成功。帰国後は自身のブランドにフォーカス、革小物やアクセサリー、靴など品ぞろえを増やし、2014年9月で世界95カ国、約470店の直営店を構える。顧客には米オバマ大統領のミシェル夫人、女優アンジェリーナ・ジョリー、ブレイク・ライブリーなど、そうそうたる米国のセレブリティーが並ぶ。日本では11月現在で28の直営店を構えている。

 千鳥格子のコート

 六本木ヒルズ店では、本来のコレクションとセカンドラインの衣類やバッグ、アクセサリーなど豊富な品ぞろえで、海外からの買い物客も多い。ウールのジャケットにパンツの組み合わせは、カジュアルシーンをおしゃれに過ごすためのセットで、秋冬向けのショーでも人気が高かった。パーティーに着ていきたいと思わせる茶色のワンピース(68万9000円)は最近、コース自身が凝っている、手作業が中心の「オートクチュール・ワーク」によるもの。ウールツイードに花のアップリケをあしらっている。

 セカンドライン「マイケル マイケル・コース」は、カジュアル素材で価格を抑えつつ、着心地のよいパーティー用ドレスを提案。大きめの時計をアクセサリー代わりにつけるのがトレンドだ。ニューヨークで流行中という千鳥格子のコートはフェイクファー。マイケル・コースはバッグでも、高価なワニ皮を模した革のクロコダイル型押し素材を使うなど、フェイク素材も積極的に取り入れる。「本物を買うまで我慢するのではなく、気軽にいろいろなおしゃれを楽しんでほしい、との願いから」という。

 新作「巾着型」バッグ

 バッグは人気の「ミランダ」が進化した新作の「巾着型」が登場。巾着は今後、再び流行の兆しを見せており、物をたくさん入れても、スタイリッシュに見えるのがポイントだ。コンサーバティブなデザインだけでなく、スタッズなどメタルビーズも使った、ロックテイストあふれる商品もそろう。靴はスニーカーを日常的に履くニューヨーカー向けに作られた革製の靴やブーツもそろい「履きやすさがポイント」(広報)という。

 「ニューヨークのシティー派」らしい合理性と華やかさを兼ね備えたマイケル・コース、初めての人はラグジュアリーなコレクションを眺めつつ、まずは手軽な小物から楽しんでみたい。(文:藤沢志穂子/撮影:寺河内美奈/SANKEI EXPRESS

 ■マイケル・コース六本木ヒルズ店 東京都港区六本木6の12の4 六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り。(電)03・5772・6726。午前11時~午後9時。不定休。

 ※価格はすべて税別です。

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