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「クールでカワイイ」 外国人観光客が殺到する“意外”な人気スポット
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たくさんの外国人客で賑わう新宿・歌舞伎町の「ロボットレストラン」=2014年12月10日、東京都新宿区(三尾郁恵撮影) 2020年に五輪が開かれる東京。海外への魅力発信は大きな課題だが、実は日本人にとって意外な場所が外国人観光客に「カワイイ」「クール(かっこいい)」と人気だ。
近未来を描いたSF映画「ブレードランナー」の舞台のモデルになったとされる眠らない街、新宿・歌舞伎町。その一角に、「総開発費100億円」をうたって2年半前に誕生したアミューズメント型飲食店「ロボットレストラン」がある。
ステージを中央に挟むように座席を配置。3メートルほどの高さのロボットと、まばゆい衣装をまとった女性ダンサーが共演するショーを楽しめる。
歌舞伎風のメークをした男女が電飾の山車に乗って和太鼓をたたいたり、ロボット同士がボクシングをしたり、女性ダンサーがまたがったロボットが謎の侵略者と戦ったりと、ショーは個性的。当初は30~40代の「ガンダム世代」の男性を主なターゲットとしていたが、集まったのは欧米を中心とした観光客。今では外国人が全体の6~8割を占めるという。
米国のティム・バートン監督や歌手のケイティ・ペリーさん、英ロックバンド「ブラー」のメンバーらが来店。「ほかにも大勢の海外セレブがお忍びで訪れている」(広報担当者)という。
ジブリ映画が好きという英国人、ジェームス・タタソールさん(38)は「グーグル検索で見つけて、面白そうだと思った。ロンドンにも劇場はたくさんあるが、こんなショーは初めて」と満面の笑み。広報担当者は「和太鼓や(ショーや衣装などの)和柄っぽい部分に『カワイイ』が加わっている。ほかにはない日本らしさが受けたのではないか」と話す。
海外でも絶大な人気を誇るサンリオの「ハローキティ」。京王プラザホテルは昨年11月、西新宿と多摩センター(東京都多摩市)のホテルに、ハローキティをモチーフとした計12室の客室を設けた。公式フェイスブックを通じて英語、タイ語で情報発信したところ、「カワイイ!」と評判を呼び、宿泊客の約半数を外国人が占める人気スポットに。「家族連れや女性の利用が中心ですが、1人で宿泊される海外の男性の方もいます」と広報担当者。
日本人にはちょっと理解できないが、「クール!」と称賛を浴びているのがカプセルホテル。歌舞伎町にある創業30年を超える老舗「グリーンプラザ新宿」では4、5年前から外国人客が増えだした。
長期利用のバックパッカーから1泊だけの体験宿泊まで。「ハチの巣の中にいる幼虫になった気分」「SF映画に出てくる宇宙船みたい」。宿泊客からはそんな感想が寄せられる。
この店の今年度の外国人客数は昨年11月までの段階で、前年度1年間の約2倍に達した。英語を話せるスタッフを増やしたが、「まだ十分に対応できない」と予約を断ることも。
荷物が多い外国人客らのため、36室をつぶしてクロークを設置。無線LANを導入するなど受け入れ準備を進める。経費はかさむが「東京五輪に向けて、来日する外国人は増える。今後の伸びしろを考えたら無視できない」と意気込んでいる。(SANKEI EXPRESS)