今月の思わずジャケ買いしたくなるワインは、寒いからこそ造られるカナダのアイスワイン「ノーザン・アイス・ヴィダル・アイスワイン」を選びました。

　みなさんは、アイスワインってご存じですか？　デザートワインの一種で、凍った完熟ブドウから造られる極上の甘口ワインです。

　ブドウを収穫してから人工的に凍らせるのではなく、樹になっている状態のブドウが氷結してから収穫します。自然環境で凍ったブドウから造られるワインなのです。

　自然にブドウが凍るということは、寒い地域でしか造れません。通常のワイン用のブドウは９月ごろに収穫しますが、アイスワイン用のブドウは１２月から１月に手作業で収穫を行います。腐敗や動物による被害もあることから収穫量はごく僅か。ですので、アイスワインは高級ワインとなります。

　遅く収穫するので、ブドウが完熟して糖分が高まります。さらに凍ったまま搾汁するので水分が氷として残って糖分の高い果汁となり、とても濃厚で強い味わいになるのです。

　このワインのラベルには、寒い冬を思わせる北極星と三日月と雪景色の中にシロクマが描かれています。北極星には「大切な人のもとに迷わずたどり着く」というロマンチックな意味が込められています。ブドウ品種はヴィダル・ブラン１００％で、シロップ漬けのマンゴーや黄桃のような甘い香りがします。

　飲みやすいハーフサイズで価格は３３００円前後。バレンタインの贈りものにしたら、きっと大切な人へ思いが届くことでしょう。（「ワイン酒屋　ｍｉｓｔａ」店長　竹内香奈子／ＳＡＮＫＥＩ　ＥＸＰＲＥＳＳ）

　■たけうち・かなこ　１９７７年、愛知県生まれ。大阪・東心斎橋の「ワイン酒屋　ｍｉｓｔａ」店長、ソムリエ。短大卒業後、飲食店やワインショップで働きワインの魅力を知る。著書に「おうち飲みワインレッスン」（ＫＫベストセラーズ、１２２９円＋税）。