マック、41年ぶり営業赤字67億円 カサノバ社長、遺物混入謝罪
更新≪進む客離れ 「世界同一商品」に限界≫
通期で41年ぶりの営業赤字に沈んだ日本マクドナルドHD。傷口を広げたのは中国産の期限切れ鶏肉問題だが、客離れは世界中のマックで進む。世界で同一商品を投入する創業以来のビジネスモデルは柔軟性に欠け、国ごとの消費者ニーズや競争環境の変化に迅速に対応できなくなっている。
「信頼回復を進めると同時に、創業の原点に戻って、客と心でつながる店を目指す」。決算会見でサラ・カサノバ社長はこう述べ、国内の業績回復に向けた決意を述べた。
ただ、業績悪化は日本だけではない。米マクドナルドによると、昨年の「世界の既存店売上高」は前年比1.0%減と2002年以来、12年ぶりのマイナス。10~12月期はアジア、米国、欧州の各地で減益となった。これについて、日本経済大経営学部の西村尚純教授は「マックは世界で大量に食材を仕入れ、同一メニューを安く投入している。競合が次々と打ち出す商品戦略や消費傾向の変化に、臨機応変に対応できなくなっている」と指摘する。
