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56歳マドンナ 若者に不向き? 「放送リスト除外」英ラジオ局に批判殺到
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第57回グラミー賞授賞式で、圧巻のパフォーマンスを披露した米歌手のマドンナさん=2015年2月8日、米カリフォルニア州ロサンゼルス(ロイター) 米歌手、マドンナさん(56)の昨年12月発売の新曲「リヴィング・フォー・ラヴ」を“56歳の歌手が歌う楽曲は若者にアピールしない”という理由でオンエアリストから外したと報じられ、英国を代表するラジオ局「BBCレディオ1」が激しいバッシングにさらされている。局側は「誤報」と反論したが、この報道の直前には局の人気DJが米IT大手のアップルにヘッドハントされたことも発覚。このDJはアップルの新音楽サービスの看板役を担うと噂されており、騒動はネットに押されてジリ貧のラジオ業界の苦悩を象徴する出来事となっている。
今回の騒動の発端は英紙デーリー・メール(電子版)の2月14日夜の報道だ。マドンナさんのこの新曲が、レディオ1では1月9日、人気女性DJのアニー・マックさんの夕方の番組で1回オンエアされたが、その日の午後7時以降、オンエアリストから消えたと暴露。「アーティストが年を取ればファンが離れていくのは当然で、レディオ1は(選曲に)そうした事情を反映せねばならない。われわれには若いリスナーの要求を満たす義務がある」という局の匿名関係者の声を紹介し、曲が流れないのはマドンナさんの年齢が原因と結論付けた。
記事では「楽曲が優れているかどうかが問題で、アーティストの年齢は関係ない」というレディオ1の公式見解も紹介したが、この報道の直前の14日昼には、英音楽誌ニュー・ミュージカル・エクスプレス(電子版)にレディオ1の看板DJ、ゼイン・ロウさん(41)がアップルにヘッドハントされ、3月5日の放送を最後に局を卒業すると報じられたため、そのゴタゴタぶりに拍車がかかった。
英BBC放送のラジオ部門の一つ、レディオ1は1967年9月の放送開始以来、古くはビートルズやレッド・ツェッペリン、2000年以降はコールドプレイやレディオヘッドといった若者向けの音楽をオンエアし、人気を集めてきた。
主要リスナー層は15~29歳だが、08年時点のリスナーの平均年齢は30歳。このためレディオ1では56歳のマドンナさんはもとより、90~2000年代に活躍した英ポップ歌手、ロビー・ウィリアムズさん(41)や英ポップグループ、テイク・ザットの楽曲すら、最近はなかなかオンエアされない状況という。
ところがデーリー・メールの報道が想像以上の騒ぎになったため、レディオ1側は17日、公式フェイスブックで「報道を信じないでほしい。選曲の基準は楽曲の良さや若者へのアピール度などケース・バイ・ケースだが、アーティストの年齢は決して選曲要因にはならない」と断言。「事実、(72歳の)ポール・マッカートニーは最新の2曲がオンエアリストに入っている」と反論した。
しかし、この説明にはネット上の音楽ファンや欧米メディアが再反論。この2曲はいずれもメーンは若者に人気の米歌手、カニエ・ウェストさん(37)で、マッカートニーさんはゲスト扱いであると指摘し、レディオ1は苦境に陥っている。
今月8日に米ロサンゼルスで行われた第57回グラミー賞授賞式では、闘牛士を思わせる真っ赤な衣装で「リヴィング・フォー・ラヴ」を熱唱し、会場にいた米歌手、テイラー・スウィフトさん(25)らが踊り出すほどのパフォーマンスを披露したマドンナさん。「選曲に歌手の年齢は関係ない」という説明を額面通りに受け取るなら、局側の選曲センスのなさが一層際立つことになる。(SANKEI EXPRESS)