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米大統領警護隊 また「暴走」 飲酒運転で爆発物処理妨害
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バラク・オバマ米大統領(右から2人目)を警護する大統領警護隊の隊員。昨年9月の刃物男のホワイトハウスへの侵入事件後、鳴りを潜めていた不祥事が再び発覚した=2015年3月13日、米アリゾナ州ギルバート(ロイター) 昨年9月に刃物を持った男が米ホワイトハウスに侵入する事件を許した大統領警護隊(シークレットサービス)に新たな不祥事が発覚した。隊員2人が飲酒後、公用車でホワイトハウスに戻り、ゲート前で行われていた爆発物の処理作業を妨害したというのだ。バラク・オバマ米大統領(53)は先月、引責辞任した前警護隊長官の後任にジョゼフ・クランシー長官臨時代行を任命し、組織の出直しを図ったばかりだった。
事の発端は3月11日付の米紙ワシントン・ポストのスクープだ。それによると、警護隊の隊員2人が乗った公用車が4日夜、ホワイトハウス近くの路上に設けられていた仮設のバリケードを突破。勤務中の警官が事故を目撃し、2人を拘束して飲酒の有無を検査しようとしたが、上司から2人を帰宅させるよう命じられたという。
2人は、首都ワシントンの繁華街にあるバーで開かれた警護隊報道官の送別会に出席していた。2人のうち1人は、オバマ氏の身辺警護を担当する幹部隊員。この幹部を自家用車が置いてある駐車場まで送り届けようとして、もう1人の隊員が公用車を運転中、事故を起こしたとされる。
目撃者らによると当時、公用車の上に付いているライトが点滅していた。警護隊の規則では、警備上の理由なくライトを点滅させたり、飲酒後に公用車を運転したりすることは禁止されている。
特に問題視されているのが、仮設バリケードの破壊によりその場で行われていた爆発物の処理作業に支障が出たことだ。
3月12日付ワシントン・ポストによると、4日午後10時25分頃、女性が緑のシャツに包んだ物体を手にホワイトハウスのゲートに近づき、「私、爆弾を持っているのよ!」と叫び、包みを地面に置いて車で逃走した。警察は急いで現場をテープとカラーコーンで囲み、爆発物処理班を手配したが、11時少し前に2人が乗る公用車がこれを蹴散らした。防犯ビデオに写った映像を解析した結果、車は“爆発物”めがけて一直線に突っ込んできており、当直の上官は2人が相当酒に酔っていたとの判断を下したという。
結局、午後11時45分になって包みの中身はただの本だと分かり、事なきを得たが、本物だったら公用車に踏みつぶされ大爆発を起こしていたことになる。この問題が警護隊長官のクランシー氏に報告されたのはその5日後のことだった。
一方、米CNNテレビ(電子版)は、飲酒検査をめぐって警察と警護隊がやり合った事実はないとする警察側の話を報道。2人はホワイトハウス内の最初の検問所を車で難なく通過しており、酔っぱらいの程度もそんなにひどくなかったのではないかという分析を載せた。
それでも警護隊が2人を要人警護の職務から外し、国土安全保障省の監察室が調査に乗り出したことは事実で、2人の行動に問題があったことは間違いない。米下院監査・政府改革委員会のジェイソン・チャフェッツ委員長(47)=米共和党=は今回の一件について、警護隊側が「多くの点をはぐらかしている」と事実の隠蔽(いんぺい)を指摘している。
チャフェッツ氏はCNNに「大統領の安全が最も重要だということでは共和党も民主党も意見に全く相違がない」とした上で、「今、大統領と彼の家族が危険にさらされているということについてもそうだ」と語り、再び“暴走”を始めた警護隊の所業に強い危機感を示した。(SANKEI EXPRESS)