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格安&軽量 3D技術で義手 米7歳少女「気に入ったわ」
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3Dプリンター技術で作った義手でプラッスチック製の部品をつかみ、笑顔を浮かべるフェイス・レノックスさん=2015年3月31日、米カリフォルニア州ロスアラミトス(AP) 先天性の病気のため、生後9カ月で肘から先の左腕を切断した米カリフォルニア州の7歳の女の子、フェイス・レノックスさんに3月31日、最新の3Dプリンター技術で作った義手が贈られた。一般的な義手は6000~4万ドル(約72万~480万円)と高価だが、こちらは新技術によって50ドル(約6000円)にまで抑えた。フェイスさんは早速この義手を使いこなし、自転車に乗るなど大喜び。大人に比べて成長が早く、義手がすぐに体に合わなくなる子供の障害者とその家族にとって、眼鏡並みの値段で入手できる義手の開発は大きな朗報だ。
AP通信や米CBSテレビ(電子版)などによると、カリフォルニア州ロスアラミトスのレイクウッドに住む小学1年生のフェイスさんは、出生時、左腕で患部が壊死(えし)する「コンパートメント症候群」を発症したため、肘から先を切断した。
その後、フェイスさんは元気に成長。3歳で泳げるようになったほか、1人で髪の毛を三つ編みにしたり靴ひもを結べるようになり、休日には父親のグレッグさん(37)とサーフィンを楽しむなど、活発な少女に育っている。母親のニコールさん(27)も「左腕の問題を除けば完全に健康です」と話す。
しかし、3歳から使った電動義手はフェイスさんの成長によって2年後にはサイズが合わなくなった。新たな義手は高価で、保険会社も保険適用に難色を示したため、彼女は義手なしで過ごしていた。そんななか、両親は、2013年から世界中の腕のない子供たちに義手を贈る活動をしている米の非営利団体「E-Nable(イー・ナーブル)」の存在を知り、希望リストに登録。フェイスさんに義手が贈られることになった。
義手の贈呈式は3月31日、彼女の義手を作った設立1年の米3D製品製造メーカー、ビルド・イット・ワークスペース社のオフィスで開催された。
自分がリクエストした色であるピンク、パープル、ブルーの3色で作られた義手に、フェイスさんは「気に入ったわ。友だちにも見せたい」と大喜び。早速、取り付けた義手の指を何度も動かしたり、付近を自転車で走り回ったり、ディズニーのアニメ映画「ファインディング・ニモ」(2003年)の主人公である熱帯魚の小さなプラスチック製のおもちゃをつかんで周りの人々に見せるなど、うれしそうに笑顔を浮かべた。
技術者でもあるビルド社のマーク・レングスフィールド社長によると、この義手は自動車の車体に使う強化プラスチック製で、重さ約450グラムと金属製よりもかなり軽量だ。20個の部品で作られており、3Dプリンターを使って24時間で製造されたという。費用もわずか50ドルで済んだ。社長はCBSなどに「義手の製造は初めてだったが、彼女にプレゼントできて光栄だよ」などと胸を張った。
3D関連メーカーや技術者らで組織するイー・ナーブルはこれまでに700家族に安価な義手1000体を贈ったほか、義手の3D設計図もウェブ上で公開している。南カリフォルニア大学(USC)のジェリー・ローブ生体医工学部教授は地元紙ロサンゼルス・デーリー・ニューズ(電子版)に「シンプルで汎用性が高い3Dプリンター技術は将来の義手や義足の製造で主要な役割を果たす」と指摘した。(SANKEI EXPRESS)