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【ボクシング】世紀の対決 TV観戦に1万円 来月2日ゴング 総収益480億円超見込む
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3月11日、難航していた対戦交渉がまとまり、記者会見の場でポーズを取るフロイド・メイウェザー(左)とマニー・パッキャオの両雄=2015年、米カリフォルニア州ロサンゼルス(AP) プロボクシングのフロイド・メイウェザー(38)=米国=とマニー・パッキャオ(36)=フィリピン=による「世紀の対決」を中継する米ケーブルテレビ大手のHBOとショータイムは2日、視聴ごとに課金されるPPV(ペイ・パー・ビュー)の価格を89.95ドル(約1万800円)に設定したと発表した。高画質では99.95ドル(約1万2000円)で、ともに過去最高額を25ドル(約3000円)も上回っている。会場のチケットは最高7500ドル(約90万円)と高額で、2人のファイトマネーの合計も2億8000万ドル(約335億円)を優に超えるとみられ、ファン待望の一戦は記録ずくめの興行になる。
世紀の対決は、5月2日に米ネバダ州ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで、世界ウェルター級王座統一戦として行われる。文字通り「世界最強の男」を決めるヘビー級のタイトルマッチでもない2人の対決が、従来の興行記録をすべて塗り替えるほど注目されているのは、ともにボクシング史上希代の大スターだからに他ならない。
メイウェザー(47戦全勝)は、1996年のアトランタ五輪で銅メダル(フェザー級)獲得後にプロ転向。無敗のまま、主要4団体でスーパーフェザー級(リミット58.9キロ)からスーパーウエルター級(69.8キロ)までの5階級を制覇したエリートボクサーだ。
一方、フィリピンの貧しい農家に生まれたパッキャオ(57勝5敗2分)は16歳でプロデビューし、フライ級(50.8キロ)からスーパーウエルター級まで6階級を制覇した無類のファイター。常に「フィリピン国民のために戦っている」と公言する現職の国会議員でもあり、将来の大統領候補と目されている。
2人の対戦交渉は6年前から続けられていたが、条件がなかなか折り合わず、ようやく今回、実現の運びとなった。AP通信によると、ファイトマネーはメイウェザーが1億8000万ドル(約215億円)、パッキャオが1億ドル(約120億円)で、PPVの回数が300万件、売上高3億ドル以上になった場合はさらにファイトマネーが増える契約になっている。
PPVの過去最高は、2007年5月に行われたメイウェザー-オスカー・デラホーヤ(米国)戦(WBC世界スーパーウェルター級タイトルマッチ)の244万件、売上高の最高は13年の1億5200万ドル。今回はいずれも大幅な更新が確実視されている。メイウェザーは米メディアに「このレベルに達すると、36分間(1ラウンド3分×12ラウンド)で9桁(の金額、1億ドル以上)を稼ぐのは当然」と語った。
また、2人のファイトマネーの最低保証額はボクシング史上、メイウェザーが最高、パッキャオが3位だ。さらにメイウェザーの1億8000万ドルという金額は、世界のプロスポーツ史上、1人の選手が1年間に稼いだ最高額を大幅に上回る。これまでの最高は、08年にゴルフのタイガー・ウッズ(39)=米国=が記録した約1億2500万ドル(インフレ率を勘案し、現在の金額に換算)だった。
元々フライ級からスタートし、メイウェザーよりも身長、リーチ、骨格で劣るパッキャオはやや不利と見られているが、本人は「自分よりも10センチ以上も背が高い(史上初の6階級制覇の)デラホーヤをKOしたファイトより間違いなく、いい試合になる」と意気盛ん。パッキャオのプロモーターを務めるボブ・アラム氏(83)は「このメガファイトの総収益は、諸々合わせると4億ドル(約480億円)を超える額に上るだろう」と話している。(SANKEI EXPRESS)