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【鎌倉海びより】アジサイ名所「休みます」

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【鎌倉海びより】アジサイ名所「休みます」

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由比ガ浜、材木座の海岸線を望む参道の石段=2015年4月19日、神奈川県鎌倉市  真言宗の名刹(めいさつ)、成就院は鎌倉幕府第3代執権、北条泰時により1219(承久元)年に建立されたという。108段の石段の両側には、般若心経の文字数と同じ262株のアジサイが植えられている。

 由比ガ浜、材木座の海岸線を望む参道の石段は、アジサイが咲いていなくても素晴らしい眺望だ=写真。とりわけこの季節は新緑と海のコントラストが見事なのだが、訪れる人はまだ、それほど多くない。アジサイシーズンの梅雨になると、あふれるほどの人と傘で埋まる。今年もさぞや…と思っていたら、こんな看板が出ていた。

 『2015年~2017年までの3年間〈成就院のアジサイはお休みします〉』

 え~っ。2019年に創建800年を迎えるので、それまでに〈樹齢50年のアジサイの植え替え〉と〈参道の改修工事〉を行うという。工事の期間中もお参りはできるが、アジサイは3年間、咲かなくなる。

 成就院の公式サイトには、『アジサイの植え替えと工事中の混乱を避けるため2015年~2017年までの3年間<成就院 アジサイ>はお休み致します」と書かれていた。そうか。「お休み」という表現の軽みのせいか、それもありかなという納得感が生まれる。センスのいいお寺ですね。

 今年は鶴岡八幡宮の参道である若宮大路の段葛(だんかずら)が補修工事中で春のお花見ができなかった。工事が終わるのは来年3月末の予定だという。

 それに加えて成就院のアジサイも3年間のお休み。偶然かもしれないが、ちょっと立ち止まって、鎌倉の魅力をもう一度よく考えてみる時期なのかもしれない。サクラやアジサイも、大事にしなければ、たちまち姿を消してしまう。鎌倉の良さを次の世代に伝えるためには、しばしのお休みもまた必要だろう。(編集委員 宮田一雄/SANKEI EXPRESS

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