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【ボクシング】フィリピン熱狂「負けてもヒーロー」 国民的英雄応援 犯罪発生率下がる
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フィリピンの英雄、マニー・パッキャオ(左)は果敢に前に出て接近戦をしかけ、フロイド・メイウェザーをたびたびロープ際に追い込んだ=2015年5月2日、米ネバダ州ラスベガス(AP) 「負けてもわれわれのヒーローだ」-。米ネバダ州ラスベガスで2日行われたボクシングの世界ウエルター級王座統一戦でフロイド・メイウェザー選手(38)=米国=とマニー・パッキャオ選手(36)=フィリピン=による「世紀の対決」。フィリピンは3日午前、国民的英雄を応援する国民の熱狂の渦に包まれた。試合後はメイウェザー選手の判定勝ちに疑問を示す市民もいる一方、多くの人々がパッキャオ選手の勇気と健闘に称賛の声を上げた。
フィリピンでは2日夜から3日朝にかけ、犯罪発生率が極端に下がり、首都マニラ名物の交通渋滞も解消された。警察当局によると、試合をテレビ観戦するため多くの市民が自宅にいたためだ。
各地のレストランやバーでは大型スクリーンが設置され、有料のパブリックビューイングが設けられた。軍幹部の一人は「サッカーのワールドカップ(W杯)決勝と、(米プロフットボールNFLの)スーパーボウルが同時に行われたようだ」と目を見張った。
試合が始まると街角のあちこちから歓声が響いた。市民の一人は「負けてがっかり。でも私の心の中では、彼は今でもチャンピオンだ」と、“国民の拳”と称されるパッキャオ選手をねぎらった。
アキノ大統領もテレビ観戦。「フィリピン人が世界の舞台に立てることを証明してくれた」と国会議員でもあるパッキャオ選手の健闘をたたえた。ラシエルダ大統領府報道官は「彼はポイントを稼ぐためではなく、尊厳のために戦った。そして世界の人々の心をとりこにした」と話した。(共同/SANKEI EXPRESS)
≪観客1万6000人 セレブ、日本から来たファン≫
「世紀の対決」の会場となったMGMグランドは約1万6000人の観客の興奮で包まれた。米メディアの予想では、ファイトマネーはメイウェザー選手が1億8000万ドル(約216億円)、パッキャオ選手も1億ドル(約120億円)を優に超え、興業の総収入は4億2000万~4億4000万ドル(約504億~528億円)と巨額だ。
俳優、クリント・イーストウッド氏、タレントのパリス・ヒルトンさんら各界の著名人が姿を現し、ボクシングの本場でスポーツの枠を超えたイベントになった。
試合は派手な私生活を誇示し「マネー(金の亡者)」の異名を取るメイウェザー選手が、母国では国民的英雄のパッキャオ選手に3-0で判定勝ちした。だが、攻めの姿勢が見られなかった勝者にリングサイドの米国人からブーイングが起き、攻撃的に闘った敗者には拍手が送られた。
東京都渋谷区で会社を経営する田口圭太さん(35)は「これだけのカードなので日本から来た。米国はエンターテインメント性が違う」と感心した。市内では専門グッズ店が期間限定で営業し、フィリピン国旗を持つファンもおり、ラスベガス在住の写真家、福田直樹さん(49)は「ようやく実現した夢の一戦。それにしても、ボクシングでここまで街が盛り上がるのは見たことがない」と驚いていた。(共同/SANKEI EXPRESS)