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舞台の熱量 スクリーンから伝わってくる 映画「ゲキ×シネ『蒼の乱』」 平幹二朗さんインタビュー
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「芝居の道は深いですね」とゲキ×シネ出演の感想を語る平幹二朗(ひら・みじろう)さん=2015年4月6日、東京都千代田区(寺河内美奈撮影) 「劇団☆新感線」の舞台を20台近いHDカメラを駆使して編集・映像化し、映画館の大スクリーンで上映する人気シリーズ「ゲキ×シネ」の最新作は「蒼の乱」(いのうえひでのり演出、中島かずき作)。伝説の武将、平将門の一生をモチーフに同志の女の苛烈(かれつ)な人生を描いた歴史ファンタジーで、天海祐希(47)や松山ケンイチ(30)が昨春、東京と大阪で上演したものだ。
権力者に反旗を翻し、国を追われた孤独な渡来女、蒼真(そうま、天海)と、理想に燃えて愚直に生きる坂東の若武者、将門小次郎(松山)が京の都で出会い、ほどなく結ばれた。だがそれもつかの間、将門は壮大な野望を胸に抱き、蒼真の反対にも耳を貸さず、自ら朝廷との戦いへと飛び込んでいく。
芝居で初めて1人2役を演じたという平幹二朗(ひら・みきじろう、81)の役どころは、東国で反乱を起こすよう将門をたきつける蝦夷の長、常世王(とこよおう)と、その兄で天皇に次ぐ地位に就いた奥の大殿(おおとの)だ。
ゲキ×シネ初挑戦の平は「自分が舞台で放出した以上のエネルギーやライブ感が、劇場のスクリーンを通して伝わってくるのが面白いですね」と意外性を強調した。また、思いがけないアングルから複数のカメラが俳優の所作を次々と捉えてしまうこともあり、「映画館で演技を鑑賞する観客は、実際に俳優の演技を目にする観客よりも、演技が複雑に見えることがある」と、平はゲキ×シネ特有の興味深い特徴に気づいた。
今後の研究課題に挙げたのは奥の大殿を演じたときの視線の位置だった。「彼は奥の高い位置にいるので、将門を見るときの目線は下になりますよね。もっと上を見た方が目力が強かったかな。例えば映画では、カメラアングルを意識して、相手の目のつもりで額を見るとか、目線の位置を上げたりするんですが、ゲキ×シネではそういうことを全然意識しなかったんですよ」
激しい動きに加え、スピーディーなせりふのやり取りも本作の特徴だが、80歳を超えた平幹二朗はどのようにしてあの長いせりふを覚えたのだろう。「昔は2、3回、台本を読んで稽古していれば覚えられたんですけれども、今ではそんなことではとても覚えられないので、まず最初に声を出さずに読み、それから次は声を出しながら読んで、そのときに役作りといいますか、どういう『音色(おんしょく)』がいいかを探るんです。それが済むと今度はノートに書きます。仮名で書いてあっても、漢字に直せるものは漢字で書き出します。漢字の方が形で覚えられるので記憶に残ります。仮名は音だけですから、だめですね」。まったく別の人物になりきろうと努力する大ベテランの鬼気迫る姿をのぞかせた。5月9日、全国公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:寺河内美奈/SANKEI EXPRESS)
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