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【箱根火山活動】「被害範囲拡大する兆候なし」 気象庁調査 大涌谷、噴気の勢い強まる

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【箱根火山活動】「被害範囲拡大する兆候なし」 気象庁調査 大涌谷、噴気の勢い強まる

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強羅駅前の土産物店で買い物する観光客ら=2015年5月8日午後、神奈川県足柄下郡箱根町(宮崎瑞穂撮影)  気象庁が初めて噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)に引き上げた箱根山(神奈川、静岡両県)で8日、一時的に収まっていた火山性地震がわずかに増加した。気象庁は8日、噴火した場合に火口になると想定される大涌谷(おおわくだに)に調査に入り、温泉施設から出ている噴気の勢いが強まっていることを確認した。

 温泉施設からの噴気は、3日に初めて報告され、気象庁は4、5日にも調査していた。気象庁火山監視・情報センターの伏谷祐二所長は「4日の調査と比べて噴気の勢いや音が強まっていると感じた。温度も上がっている可能性がある」と説明している。

 気象庁によると、8日は午前0時から午後4時までに59回の火山性地震を観測した。箱根山では4月26日から火山性地震が急増。5日は117回の地震が発生したが、6、7日は十数回まで下がっていた。

 大規模噴火「ほぼない」

 気象庁は今回の火山活動で水蒸気噴火が起きた場合、被害の発生地域は、避難指示が発令されている大涌谷の半径約300メートル内と想定しており、その範囲外に被害が及ぶ可能性は低いとしている。

 箱根山で起きた直近の火山活動の活発化は2001年。群発地震が発生し、大涌谷で暴噴が起きたほか、地下のマグマの圧力が高まって山が膨らむ「山体膨張」も確認されたが、噴火には至らなかった。

 山体膨張は今回も確認されているが、神奈川県温泉地学研究所によると、山頂周辺の3地点で、わずかな膨張を観測したものの、膨張は最大1キロ当たり数ミリ程度。これは01年の4分の1程度という。

 東大地震研究所地震火山噴火予知研究推進センターの青木陽介助教(火山物理学)は「01年の火山活動は大規模噴火にはほど遠いものだったが、現時点では今回は01年の活動にも及んでいない」と指摘。「避難指示地域外で人的被害が発生するような噴火の可能性はほとんどないと考えていい」と話している。

 外国人客への情報発信強化

 箱根町は8日、避難指示が町内のごく一部に限られることを強調した新しい地図「噴火警戒レベルマップ」をホームページ上で公開した。町のほぼ全域にわたる東西十数キロ、南北10キロ弱を掲載したことで、赤い円で示された大涌谷の半径約300メートルの避難指示区域が小さく見える。

 これまで公開していた地図は、通行止めとなっている大涌谷を中心に数キロ四方をクローズアップしたものだったが、「箱根全体が危険だと思われる恐れがあった」(箱根町企画観光部の吉田功部長)ため、新たな地図の公開に踏み切った。

 年間約17万人が訪れる外国人観光客への情報発信も重視。箱根町観光協会と協力し、大涌谷周辺の立ち入り規制エリアを示す日本語版と英語版の地図(A4判)の無料配布を始めた。中国語、韓国語の地図も作成中だという。

 箱根町観光協会の譲原清彦事務局長(62)は「安全・安心な箱根の観光スポットを選び、楽しんでもらいたい」と訴えている。(SANKEI EXPRESS

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