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キングの安眠阻む毒殺騒動 娘2人がマネジャー告発で司法解剖

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キングの安眠阻む毒殺騒動 娘2人がマネジャー告発で司法解剖

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2011年11月に米カリフォルニア州ロサンゼルスで開かれたライブに出演したB・B・キングさん(AP)  今月14日に89歳で亡くなった米国のギタリストで歌手のB・B・キングさんの死因をめぐり、毒殺疑惑が浮上している。2人の娘が、遺産管理人であるマネジャーらに「毒殺された」と訴え、死去した自宅のあるネバダ州ラスベガスを管轄するクラーク郡検視局が24日に司法解剖を行った。結果判明には最大8週間かかる見込み。マネジャー側は「ばかげている」と疑惑を一蹴。警察当局は解剖結果を見守る構えだ。多くのミュージシャンに影響を与え、生ける伝説となった“ブルースの王様”の死をめぐる醜聞に、全米が騒然としている。

 「舌の上に液体2滴」

 「父は異物の投与によって毒殺されたと確信している」

 AP通信などによると、キングさんの娘のカレン・ウィリアムズさんとパティ・キングさんの2人は声明でこう訴え、ラスベガス警察当局に捜査を要請した。告発されたのは、キングさんに39年間仕えたマネジャーのラバーン・トニー氏と、そのアシスタント、マイロン・ジョンソン氏の2人。

 娘側は、存命中に家族の面会は拒否され、臨終に立ち会ったのはジョンソン氏だけだったと不自然さを指摘した。さらに米紙ニューヨーク・デーリー・ニューズ(電子版)によると、パティさんは捜査当局への宣誓供述書で、死亡する数カ月前にジョンソン氏が自宅でキングさんの舌の上に液体を2滴垂らすのを目撃したと主張。トニーさんと共謀し毒物の投与でキングさんの死期を早めたと訴えた。

 弁護士は主張切り捨て

 告発を受け、郡検視局のジョン・フーデンバーグ検視官は複数のメディアに、キングさんの遺体がラスベガスの遺体安置所に戻されたと明かし、司法解剖が行われたことを認めた。

 これに対し、トニー氏は「彼女らはずっと根拠のない主張を続けている」と疑惑を否定。財産管理団体の弁護士、ブレント・ブライソン氏も声明で「故人は自宅で24時間体制のホスピス治療を受けており、眠るように息を引き取った」と当時の状況を説明し、娘側の主張を「ばかげている」と切り捨てた。

 財産めぐりトラブルか

 娘側とマネジャー側には、キングさんの財産をめぐるトラブルがあったようだ。米芸能メディア、TMZによると、パティさんは昨年11月に、トニー氏が闘病中のキングさんを虐待し、さらに財産管理人の立場を利用してキングさんの財産から2000万~3000万ドル(約24億~約37億円)を横領し、計25万ドル(約3000万円)相当のロレックスの腕時計や指輪を盗んだと、ラスベガス警察に訴え出たという。

 毒殺疑惑について、ラスベガス警察の広報担当は米メディアに「現時点で殺人事件の証拠はない。検視官がキングさんの死因が自然死以外にあると断定しない限り、捜査に入ることはない」と述べ、解剖結果を待つ考えを強調した。

 キングさんは昨年10月まで精力的にツアー公演を行っていたが、20年以上患っていた糖尿病が悪化して入院。その後、在宅看護を受けていたが、14日に合併症で亡くなったとされる。

 キングさんの葬儀は27日に、キングさんが名声を高めた「ブルースの聖地」であるテネシー州メンフィスで始まり、生まれ故郷のミシシッピ州インディアノラに移動。29日にキング記念館でお別れの会が行われ、30日に埋葬されることになっていた。“キング・オブ・ブルース”は、幼少時に来る日も来る日も綿花を摘んだ故郷で安らかに眠ることができるのだろうか。(SANKEI EXPRESS

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