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絵本の形を借りて放たれる「野蛮な喜び」 「没後10年 長新太の脳内地図展」 椹木野衣

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絵本の形を借りて放たれる「野蛮な喜び」 「没後10年 長新太の脳内地図展」 椹木野衣

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 子供になにも教えない

 長の絵は、子供になにも教えようとしていない。それどころか、教えることで失われてしまう大切ななにかのほうに、力ずくで引き戻そうとさえする。そのときに心のなかで発せられる音が、きっと「にゅーっ する する する」なのだろう。

 そんな絵が部屋の全面に貼られて、こっちを向いて「見てくれ、見てくれ」といっせいに自己主張を始めるのだから、その様子たるや、凄まじくないはずがないではないか。(美術批評家、多摩美術大学教授 椹木野衣(さわらぎ・のい)/SANKEI EXPRESS

 ■さわらぎ・のい 1962年、埼玉県秩父市生まれ。同志社大学を経て美術批評家。著書に、「戦争画とニッポン」(会田誠共著、講談社)、「アウトサイダー・アート入門」(幻冬舎新書)、「後美術論」(美術出版社)、「日本・現代・美術」(新潮社)、「シミュレーショニズム」(ちくま学芸文庫)ほか多数。現在、多摩美術大学教授。

 【ガイド】

 ■「没後10年 長新太の脳内地図展」 8月2日まで、ちひろ美術館・東京(東京都練馬区下石神井4の7の2)。一般800円。月曜休館(祝休日は開館、翌平日閉館)。(電)03・3995・0612。

このニュースのフォト

  • 「つみつみニャー」(あかね書房)より(1974年、提供写真)
  • 火の海「子どものころ戦争があった」(あかね書房)から(1974年、提供写真)
  • 展示室4の展示風景=2015年6月17日、東京都練馬区のひちろ美術館(原圭介撮影)

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