絵本の形を借りて放たれる「野蛮な喜び」 「没後10年 長新太の脳内地図展」 椹木野衣
更新子供になにも教えない
長の絵は、子供になにも教えようとしていない。それどころか、教えることで失われてしまう大切ななにかのほうに、力ずくで引き戻そうとさえする。そのときに心のなかで発せられる音が、きっと「にゅーっ する する する」なのだろう。
そんな絵が部屋の全面に貼られて、こっちを向いて「見てくれ、見てくれ」といっせいに自己主張を始めるのだから、その様子たるや、凄まじくないはずがないではないか。(美術批評家、多摩美術大学教授 椹木野衣(さわらぎ・のい)/SANKEI EXPRESS)



