SankeiBiz for mobile

戦争当時の女学生たちを等身大で 劇団・マームとジプシー 「cocoon」再演

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSのエンタメ

戦争当時の女学生たちを等身大で 劇団・マームとジプシー 「cocoon」再演

更新

舞台「cocoon」(藤田貴大演出)。7月12日まで公演(橋本倫史さん撮影、劇団「マームとジプシー」提供)  沖縄戦に動員された女学生たちから着想を得た漫画の舞台版で、注目の若手劇作家、藤田貴大(たかひろ)が演出、原作は今日マチ子。藤田が率いる劇団「マームとジプシー」による2年前の初演が評判を呼び、戦後70周年の今年、内容を刷新しての再演となった。

 原作は太平洋戦争当時の女学生たちを、今どきの女子高生のように等身大に描く。「お国のために」と傷病兵の看護を志願、戦火に巻き込まれていく経緯を幻想的に描く力強い作品だ。

 藤田は今日とのやり取りを重ね、何度も現地を訪ねて独自の世界を作り上げた。舞台には十数人の女学生と数人の黒子が登場。窓枠のような複数の大道具を実際に組み立てながら、教室や看護所となる洞窟などを縦横無尽に創り出す。

 黒子の手を借りて、アクロバチックに動く女学生たちの姿は、戦場の混乱を浮き彫りにする。傷病兵による女学生へのレイプも描かれ、きれいごとばかりではなかった戦争の実態が描かれる。従来の「ひめゆりの塔」など一連の反戦映画とは全く違う印象だ。

 「単なるドキュメンタリーではない」と藤田が言うように、舞台ではフィクションも一部、交えている。ただ戦争への疑問、平和への願いといった普遍的なテーマは痛いほど伝わってくる。

 戦争をテーマに過去、多くの映画や演劇が作られた。ただそうした作品が、いまの若い世代に響くとは限らない。まだ30歳の藤田が新しい解釈で作り上げた世界観は、「戦争と平和」を後世に語り継ぐための一つの答えではないか。7月12日まで、東京芸術劇場シアターイースト。沖縄など地方公演あり。(藤沢志穂子/SANKEI EXPRESS

ランキング