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輝く濃淡二色の青い海 豊かな自然 力強い「生」はぐくむ 台湾・蘭嶼島

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輝く濃淡二色の青い海 豊かな自然 力強い「生」はぐくむ 台湾・蘭嶼島

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青い空、青い海、緑の木々が輝く台湾・蘭嶼島の野銀村を望む。海の青さが濃淡二色なのが印象的だ=2015年5月16日(今井竜也撮影)  青空の中、雲からこぼれた太陽の光が風と共に駆け巡る。空と海は一層青く山の木々は緑を輝かせ自然の源を感じる。

 日本の“隣人”、台湾。その南東部の都市、台東から約90キロ沖に小さな島、蘭嶼(らんしょ)が浮かぶ。

 島は火山の噴火でできた火山島で、変わった形をした岩が海岸線沿いに散在する。2匹のライオンが並んでいるように見える「双獅岩」や龍の形をした「龍頭岩」は特に有名だ。

 島の周囲は40キロで、バイクなら1時間で1周できる。人口は4000人ほどで、主に原住民のタオ族が暮らしている。台湾本島からの観光客が多く、濃淡二色の青色に輝く美しい海でのスキューバダイビングなどが人気である。

 タオ族はヤミ族とも呼ばれ、調査に訪れた日本人がそう記したといわれている。日本の統治時代(1895~1945年)に少年期を過ごした老人は片言ながら日本語を知っており、日本から来たと話すと自身の知っている単語を総動員してうれしそうにコミュニケーションをとってくれた。

 沿岸部から少し内側に入ると、熱帯雨林が広がっており、日本では見かけることがない特種樹木の数々に刮目(かつもく)した。

 ≪豊かな自然 力強い「生」はぐくむ≫

 蘭嶼(らんしょ)島には6つの村があり、その中の野銀村では今もタオ族の伝統的な生活が大切に守られ、バウイと呼ばれる床面を掘り下げた半地下式の家屋が並んでいる。半地下なのは、暴風から住居を守るためで、「台風銀座」とも形容されるこの地域ならではの生活の知恵だ。

 歩いて村を回っていると一人の老人がにこやかに手を振ってくれた。曽那野さん(83)で、家の中に招き入れ、昔の写真を懐かしそうに見せてくれた。曽さんの家は3つの建物から成り、2つは半地下で、もう1つは高床式で海からの風が心地よく通る。母屋にはテレビや冷蔵庫などの家電製品があり、天井部分にはさまざまな道具類が収納されていた。

 春から夏にかけては島民の貴重な食料で名産となっているトビウオの漁が盛んで、漁を終えた人々が天日干しの作業をしていた。漁へはタオ族の印がついた伝統的な舟「チヌリクラン」が使われ、浜辺には次の漁を待つかのように数隻が並んでいた。

 島ではヤシの一種である檳榔(びんろう)もよく食べられていて、販売店をよく見る。興奮や刺激を得られる嗜好(しこう)品で、味はお世辞にもうまいとは言えないが、口にしながらたばこを吸う人も多い。

 この日は偶然にも台北から来た美容師さんたちが、島民の髪をボランティアでカットしていた。台北ではそれぞれ違う美容院で働いており、彼らもこの島を訪れたのは初めてで印象を聞くと、「台北と違い、自然が美しく、タオ族の人々はパワフルで目が特にきれいだ」と言っていた。

 蘭嶼島の豊かな自然は、タオ族のあふれ出す野性味や力強さの原点であり、その生活ぶりからはたくましい『生』を強く感じることができた。(写真・文:写真家 今井竜也/SANKEI EXPRESS

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