【高校野球】横浜高校 渡辺元智監督 名伯楽、最後まで「らしさ」貫く
更新準々決勝の横浜隼人戦の3点を追う八回。2点本塁打後の1点差から四球と安打で一、三塁とし、初球スクイズで同点に。畳み掛ける攻撃と相手に考える隙を与えない初球スクイズにこそ、渡辺采配の神髄を見た。「勝ち進むほどチャンスも少ない。僅かなチャンスをいかにものにするか-」
そして最後の指揮となった決勝戦は長年の宿敵、東海大相模。巨人・原辰徳(たつのり)監督の父、原貢(みつぐ)氏(故人)が監督を務めていたころは神奈川では無敵の存在の名門校だ。「原貢さんに追いつけ、追い越せの気持ちでやってきた。最後が東海大相模だったというのは特別な思いがある」。強力なライバルの存在が、名将としての成長を促したのはいうまでもない。
≪厳しさの中に愛情と情熱≫
OBたちは連絡を取り合い仕事を休んで、恩師の最後の雄姿を見届けた。結果は0-9で完敗。「ここまでやれた選手に感謝、その一言しかない」と話した。「勝利よりも敗北、栄光よりも挫折から学ぶことが多かった」と振り返る。





