威容を誇る往年の防衛拠点 デンマーク・コリングフース
更新ヨーロッパの国々では昔、領土の奪い合いが繰り返され、頻繁に争いとなる地には城が防衛拠点として築かれてきた。デンマークにとっての拠点となってきた城の一つが、ユトランド半島中東部のコリング市にある「コリングフース」である。200年前の大火で廃虚の姿をさらしていたが、100年かけて復興され、今では街のシンボルとして威容を誇っている。
転々とした王城
北欧ではフィヨルドの一番奥まったところに街が造られていることが多い。船を使うバイキングにとって都合がよかったのである。しかし、デンマークのフィヨルドは、高い断崖に挟まれた有名なノルウェーのフィヨルドと異なり、なだらかな丘に挟まれた“川”のようなものである。
コリングの街も同じく、なだらかな両岸に挟まれたコリング・フィヨルドの水が尽きた奥の岸辺に位置する。この地域はかつて国境地帯とされ、防衛拠点としてコリングフースが1268年に築かれた。街の中心の湖脇にある高台に建てられた城であり、周辺を見渡すことができる格好のロケーションである。
ちなみに、「フース」とは英語で「ハウス」であり、「館」とも訳せる。「城」や「領主の屋敷」というさまざまな意味が含まれている。





