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政府「原発ゼロ」目標見直し 景気次第で消費増税の先送りも
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安倍晋三内閣の各閣僚は27日、民主党政権が進めた主要政策の転換・修正に乗り出す方針を明確にした。原発稼働ゼロの目標を見直すとともに、景気動向次第では消費税増税を先送りし、財政規律を守る新ルールをつくる考えも打ち出した。農家への戸別所得補償制度も見直す。
一方、安倍首相は同日の臨時閣議で、東日本大震災からの復興・防災対策などの3分野を重点分野とし、年明け早々に緊急経済対策を策定することを指示した。2012年度補正予算に盛り込むとともに、13年度予算でも重点分野への配分を手厚くし経済再生につなげる考えだ。
茂木敏充経済産業相は同日未明の会見で、30年代に原発稼働をゼロにするとした民主党政権の方針は「再検討が必要」と指摘。既に着工済みの電源開発大間原発(青森県)と中国電力島根原発3号機(島根県)の建設は容認し、それ以外の原発の新増設についても「専門的な知見を十分蓄積して政治判断する」として、含みを残した。
既存の原発は、原子力規制委員会による安全性の確認を前提に、「政府の責任において再稼働する」と強調。地元の理解を得た上で、基本的に再稼働を進める考えを示した。さらに、使用済み核燃料を再処理する核燃料サイクル政策は「完全に放棄する選択肢はない」とした。
一方、消費税増税をめぐっては、麻生太郎副総理兼財務・金融相が「景気が悪い中では上げない」と明言し、増税よりも景気回復を優先させる考えを鮮明にした。ただ、日本経済は12年7~9月期の実質成長率が2四半期連続のマイナスとなり、今春から景気後退局面に入った可能性が大きい。13年10月までに最終判断する方針だが、景気低迷が続けば14年4月に予定されている8%への税率引き上げが先送りされる可能性がある。
今年8月に成立した消費税増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法は「経済状況の好転」を条件としているが、民主党政権は増税に前向きな姿勢を示していた。
麻生氏の発言は「強い経済の再生なくして財政再建もない」(安倍首相)とする自民党政権のスタンスを明確化にしたものといえる。
さらに麻生氏は、新規国債発行枠を44兆円以下とし、国債費を除く歳出の大枠を71兆円以下に抑えるとした民主党政権下のルールに関し、「自民党政権として新しい方針を作らねばならない」と明言し、財政政策の転換をにじませた。12年度補正予算案の財源確保のため、新規国債発行枠44兆円には「こだわらない」として、国債の追加発行も辞さない姿勢を示した。
林芳正農林水産相は、農家への戸別所得補償制度について、現制度を前提に農家が作付け準備を進めていることから、抜本的な見直しを14年度予算で検討する方針を表明した。