ニュースカテゴリ:政策・市況
国内
期限切れ迫る金融円滑化法 中小企業の倒産相次ぐ恐れも…支援策拡充急ぐ
更新
3月末に迎える中小企業金融円滑化法の期限切れに備え、政府は支援策の拡充を急いでいる。中小企業に対する貸し付け条件の緩和努力を金融機関に求める同法が効力を失えば、中小企業に対する貸付金の回収が一転して強化され、中小企業の倒産が相次ぐ恐れもあるためだ。
安倍晋三政権が経済政策「アベノミクス」で目指す景気回復に水を差しかねない事態を避けるため、さまざまな支援策をとることで中小企業の経営改善につなげたい考えだ。
政府は、中小企業への出資などを通じて企業再生を担ってきた官民出資ファンドの企業再生支援機構を改組し、「地域経済活性化支援機構」を4月にも発足させる。新たな機構は企業に対する直接支援を続けるほか、地方銀行や信用金庫などが中小企業の再生を進めるファンドにも出資する。さらに、資金調達の手段を広げるため、資材や建設機械などを担保にした動産担保融資(ABL)の普及も後押ししている。
官民の投資ファンドを通じた中小企業の再生を進める動きを活発化している。
独立行政法人の中小企業基盤整備機構によると、同機構は官民が出資する計29ファンドに総額987億円を2月までに出資し、各ファンドは既に全国201社に投資をしている。
金融庁は期限切れ後に支援が必要となる企業は5万~6万社にのぼるとも推計する。
実際、大阪市の電気機器販売会社の社長は「法律が失効すれば、銀行の貸し付け条件はますます厳しくなる。うちは続けられるけれども、廃業に追い込まれる企業も出てくるだろう」と話す。この販売会社は昨年5月、金融機関に経営改善計画書を提出。毎月の返済額の減額や返済期限を延長してもらうことで、事業継続につなげた。
帝国データバンクが昨年12月から今年1月にかけて実施したアンケートでも、回答した企業1万293社のうち約21%に当たる2164社が「悪影響がある」と答えている。
また、7.5%に当たる775社が円滑化法を利用したことがあると回答し、このうち半数強の400社が期限切れ後に金融機関の態度が「厳しくなる」と答えた。帝国データバンクの担当者は「期限切れ後の影響を多くの中小企業が懸念している」としている。
明治安田生命の小玉祐一チーフエコノミストは「中小企業に対する効果的なセーフティーネットを官民で構築することが急がれる」と指摘している。(佐藤裕介)
中小企業基盤整備機構 中小企業に対する出資や債権買い取り機能を有する事業再生ファンドの設立促進
金融庁 期限切れ後も、金融庁が金融機関に対し、中小企業への貸し付け条件の緩和努力の取り組みを任意で報告するよう要請
金融庁 資材や建設機械などの動産を担保にした動産担保融資(ABL)の普及促進を呼びかけ
内閣府 官民出資ファンド「企業再生支援機構」を「地域経済活性化支援機構」に改組し、企業再生ファンドへ出資