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海外情勢
マレーシア 通年成長率予想を下方修正
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マレーシアが景気の先行きに警戒を強めている。同国のバンク・ネガラ(中央銀行)は今年第2四半期(4~6月期)の成長率を4.3%と発表。前期比では0.2ポイント拡大したものの、市場予想の4.7~4.9%を大きく下回る結果を受け、通年の成長率予想を5~6%から4.5~5%に下方修正した。現地紙スターなどが報じた。
第2四半期の同国経済は、個人消費が前年同期比で7.3%拡大するなど内需が牽引(けんいん)して成長を維持した。一方で輸出は日米中などの需要が回復せずに6月まで5カ月連続で前年同月割れが続き、1~6月期の輸出額は約3378億リンギット(約10兆1100億円)で前年同期比3.8%減となっている。
中銀のゼティ総裁は、内需については個人消費や既存のインフラ整備の実施などで今後も堅調を維持するとの見解を示したものの、輸出中心の新興国経済は外需の影響を受けやすいと指摘。マレーシアも例外ではないとし、「国外の需要低迷が国内景気に影響を及ぼしつつある」と成長率予想の下方修正を決断した理由を説明した。