2013年9月7日のIOC総会で、「2020年オリンピック・パラリンピック競技大会」の開催地に「東京」が選ばれると、国内外の投資家から五輪関連銘柄の注文が殺到するはず。でも、具体的に何が買われるのか? 誰もが知りたい即座に爆騰しそうな銘柄を、専門家に選んでもらおう。万が一、落選したら? 大丈夫。安倍政権の成長戦略が実行に移されることで、五輪銘柄は成長戦略銘柄に早変わりする。今のうちに仕込んでおいたほうがいいかも(取材・文●山本信幸/写真●産経新聞社)
五輪関連銘柄で儲けるためには、まず9月7日のIOC(国際オリンピック委員会)総会前までに、関連銘柄を買っておくこと。開催地が東京に決まれば、その直後から関連銘柄に買い注文が殺到するはずだ。数日、数週間、数カ月と、十分に利益が乗ったところで利益確定してもいいし、上昇が続く気配ならキープしてもいい。なぜなら、そのころには安倍内閣の成長戦略の内容と景気回復基調が明確となり、株価上昇圧力となる可能性が高いからだ。
もし他の都市での開催となっても、成長戦略銘柄として注目されているようなら保有し続けよう。特に建設や不動産銘柄は恩恵を受けそう。 7年先の話になるが、開催直前にも五輪銘柄は買われる。そのときもう一度売買すれば、2度おいしさが味わえる。
昨年の今ごろから秋にかけて、中韓の反日運動で日本企業は大きな打撃を受けた。今年、長期政権が予想される安倍内閣が反日の動きをうまくかわすことができれば「11月に業績相場となり、遅くとも年内には日経平均株価が1万8000円(2007年につけた直近の戻り高値)に達する可能性があります」とフィスコの田代昌之さん。
下の表は、流動性が低く値が飛んだり、突然崩れるリスクがあるマイナー銘柄を避けて、大型銘柄中心に田代さんがリストアップした爆騰候補。「チャートが大好き」という田代さんらしく、思わず手が出るほど美しいチャートだ。
五輪の恩恵を受ける銘柄として外せないのが建設と不動産。「表以外でもショーボンドホールディングスや横河ブリッジホールディングス、新興不動産ではケネディクスなども対象になるでしょう」
加えて安倍内閣が公約としている成長戦略も、五輪銘柄を後押ししそうだ。「五輪が開催される2020年は、成長戦略の達成メドの時期でもあります」。一例を挙げると、農業の6次産業の市場規模を10兆円(現状1兆円)とする、農林水産物・食品の輸出額を1兆円(現状4500億円)とする、約26兆円(現状8兆円)の内外のエネルギー関連市場を獲得するなど。
もし五輪誘致に落選しても、田代銘柄なら買って損することはない!?
1998年2月開催の長野冬季五輪では、地元の北野建設に注目が集まった。バブル崩壊により建設会社は“冬の時代”だったが、1991年6月15日に開催が決定すると、2カ月弱で1400円台から2245円まで吹いて終了! 次に息を吹き返したのは五輪開催年。1997年12月25日に180円だった株価は2月には300円をつけた。ということは五輪銘柄は決定時と開催直前に吹き上がる!?
田代さんは2013年下半期のテーマとして、10月に発表が行なわれるノーベル文学賞に注目している。今年、村上春樹さんが受賞すれば、日本のクールジャパン戦略と相まって出版社や映画・アニメ会社に注目が集まりそうだ。ただ講談社や新潮社は非上場なので、出版社ではKADOKAWA、映画会社では東宝、制作会社では東映アニメーション、IGポートなどに注目したい。
「単純に東京五輪銘柄というだけで買うのは難しい」とスリーアイの竹田嘉文さん。
「まず、東京開催が株価に織り込まれているか、まだ織り込まれていないかという視点で選ぶ必要があるし、東京開催以外の材料でも株価が上がる可能性がなければダメです。開催が決まればインフラ対策、公共投資の拡大が本格化するはずなので、その方面にも実績のある銘柄が望ましいですね」
その複眼的発想による代表として竹田さんが挙げたのが、ワイヤロープの老舗で最大手の東京製綱。「ソチ冬季五輪やアジア冬季大会の案件を獲得している。東京に限定しない世界の五輪銘柄です」
また「ユニクロ」のファーストリテイリングもそう。プロゴルファーのアダム・スコット選手、テニスのノバク・ジョコビッチ選手ら、国内外の一流選手とスポンサー契約を結んでいるので「他の都市に決定しても宣伝効果が得られます」。
もうひとつ例を挙げれば、東京都競馬。大井競馬場だけでなく、ショッピングモールやオフィスビルも保有しており、地価の上昇による恩恵を受ける。「五輪開催によって、レジャースポットとして観光客が競馬場に来るかもしれませんね。さらに東京都のカジノ構想が実現すれば株価の上昇が期待できます」
では、下半期の株式市場はどうなるのか。「この2月や3月に年初来高値をつけた銘柄が制度信用の返済期限が到来する6カ月後の今どうなっているのかを調べてみると、上昇ベクトルなのか、下降ベクトルなのかがわかるはずです」。さっそくチェックしよう。
「2020年の東京五輪開催が現実味を帯びてきました」と話すのは、アットブレインズの君塚聡子さん。IOCによる6月25日の報告書で、ライバルであるイスタンブール(トルコ)は輸送面で、マドリード(スペイン)は財政面での懸念が指摘される一方、東京はコンパクトな競技場の配置などが評価された。
懸念されていた地震、津波のリスクや電力不足についても、「対策が十分にとられている」と明言されたのは心強い追い風だ。
IOCによる正式な決定は9月7日になるが、東京に決まった場合、その経済効果は想像以上に大きくなる。東京都の試算によると、東京での五輪開催が国内経済に及ぼす効果は2013年9月から2020年9月までの間で約3兆円といわれている。
「たとえば、新設されるスタジアムは工事予算が1300億円、選手村、水泳会場、体育館などの建設にかかる工事費用が3831億円、仮設施設建設や設備使用料などが723億円と、合計4554億円の予算が見積もられています。さらに、スタジアム以外の新規施設が建設される東京湾岸地区を中心に再開発が進み、建設会社だけではなく、不動産会社、道路や橋の補修・整備などのインフラ関連などにも恩恵が広がりそうです」(君塚さん)
また、国内外の観光客の増加から、商業施設や外食、観光・交通・ホテルなどのサービス業の需要も拡大することは必至だ。
ほかにも、多くの観光客を取り込むとの考えから、東京都の猪瀬知事が表明した臨海副都心地区でのカジノ設置が前進するとの見方が強まるかもしれない。
関連銘柄は東京五輪開催を織り込んで徐々に話題性が高まることが予想される一方、万が一、選に漏れた場合は失望は大きく、リスクも想定しておくことが必要。 そこで五輪のほかにもテーマを持つ複合テーマ株に注目して、選んでもらったのが下の10銘柄だ。 本命の公共事業をはじめとして、含み資産やカジノ関連など材料性でも上昇の期待が持てる銘柄ばかりだ。五輪決定まで、あとわずか!(ネットマネー)
※すべて雑誌掲載当時