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みずほ頭取の聴取検討 自民党 「金融庁にも責任」の批判も
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自民党は18日、財務金融部会を開き、みずほ銀行による暴力団関係者への融資問題で、金融庁から説明を求めた。出席した議員からは、みずほ銀が問題を放置し続けたことに対する批判が出た。業務改善計画書が提出される28日以降に佐藤康博頭取から、直接事情を聴くことも検討するとしている。同庁の検査や監督に対しても厳しい声が上がった。
菅原一秀部会長は部会後、記者団に対し、みずほ銀の対応を批判するとともに、金融庁の責任にも言及。「みずほ銀から適切な報告がなかったということが事実なら、(それに対応しなかった)金融庁にも総合的な責任が生じる」と指摘した。他の議員からも「金融庁の監督責任も問われてくる」といった意見があった。
菅原部会長は、みずほ銀から提出される業務改善計画や第三者委員会の報告書の内容を精査した上で、部会として最終的に判断するとしている。
金融庁の検査や監督について批判が出てきたのは、問題が発覚した時点で、「情報は法令順守担当役員止まり」としたみずほ銀の報告を受け、業務改善命令を出した点にある。みずほ銀はその後説明を一転。西堀利元頭取ら当時の経営陣が報告を受けていたことや、問題を記載した資料が提出された取締役会に佐藤頭取も複数回出席していたことを明らかにした。金融庁も新事実が判明したとして、9日に銀行法に基づく報告徴求命令を出してみずほ銀に追加報告を求めている。
金融庁の検査は、みずほ銀などのメガバンクでは、ほぼ毎年行われ、数十人の検査官が本店などに常駐し、融資などの書類の精査や法令順守担当者からの聞き取りを2~3カ月かけて行う。意図的に資料を隠したりするなど検査を妨害した場合、刑事罰の対象となるが、警察などの捜査と異なり、強制的な資料の差し押さえなどはできない。検査が厳しすぎると「対応に人手や時間がとられる」(大手金融機関)といった不満も出るため、限られた時間や人員で行っているのが現状だ。「性善説が前提」(金融庁OB)の中、金融庁幹部も「1回の検査で全ての問題を把握しろというのは実質的に不可能」と認める。