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海外情勢
タイ、ブランド製品の関税で迷走 引き下げに賛否両論
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タイで高級ブランド製品の輸入関税引き下げが迷走している。30%の税率を5%に引き下げ、同国を「買い物天国」にして富裕層の外国人観光客を呼び込もうとする動きだが、観光振興と国内産業保護の間で政府内でも意見が割れ、方針が定まらない状況が続く。現地紙バンコク・ポストなどが報じた。
同国財務省によると、関税引き下げの対象となるのは国外高級ブランドの衣料品や化粧品など。減税で小売価格を引き下げ、香港やシンガポールなど買い物で有名な観光地に対する競争力を高め、中国などから富裕層を呼び込みたい考えだ。
ある財務省幹部は「関税引き下げで税収は減るが、大きな影響はない」と述べ、付加価値税やその他の税収増で減税分の大半は補えるとの見解を示した。
タイは輸出と国内消費の不振で経済成長が鈍化しており、景気減速の歯止めに外国人観光客による消費に期待が集まっている。観光・サービス業は同国の国内総生産(GDP)の約50%を占める主要産業で、経済への影響も大きい。
昨年、同国を訪れた外国人観光客数は前年比16%増の2240万人。今年は同18%増の2640万人になると見込まれている。順調に増加を続ける観光客に加えて買い物目的の富裕層を呼び込み、観光収入の増加につなげるというのが推進派の意見だ。
同国内でショッピングモールを運営する地場企業幹部は、関税引き下げについて、「実現すれば年間の観光客数4000万人突破も見えてくる」と述べた。
こうした推進派の意見に対し、反対派は批判の声を強めている。別の財務省幹部は関税引き下げが小売価格の引き下げにつながる保証はないと主張。「仮に小売価格が下がっても、中小企業が多い国内製造業が打撃を受ける」と指摘した。
また、先月末には財務相を兼任するキティラット副首相が「関税引き下げには利点もあれば欠点もある。引き下げを実施するなら明確な理由が必要だ」と述べ、引き下げに反対する立場を鮮明にした。
タイは10月から年末にかけて1年で観光客が最も訪れる繁忙期を迎える。この時期に間に合わせるため10月中にも内閣の承認を得たいとしていた財務相高官もいるだけに、小売業者などにとってはやきもきする日々が続きそうだ。(シンガポール支局)