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海外情勢
振り回される米IT企業 盗聴問題で利用者激怒、のしかかる負担
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【ワシントン=柿内公輔】米国家安全保障局(NSA)による盗聴問題で米IT企業が振り回されている。インターネット検索大手のグーグル、ヤフーの通信網に秘密裏にアクセスしていた疑惑が浮上し、利用者が激怒しているからだ。プライバシー保護を強化するための負担が経営に重くのしかかりそうだ。
「米国を含めていかなる国の政府にもシステムへのアクセスを許可していない。言語道断だ」
グーグル幹部は、同社を対象にNSAが盗聴を行っていたと報じた米紙ワシントン・ポストの取材に対して怒りをぶちまけた。
6月にもNSAがグーグルやアップルなどに個人情報の提供を要請したことが発覚。欧米メディアによると、世界を結び北米に集積する光ファイバーケーブルを使いNSAが情報収集した疑惑も浮上した。
各社は利用者への説明に追われる一方、政府や議会には「情報収集活動の透明性」を求めたばかりだ。
報道では、グーグルやヤフーの社内ネットワーク上の情報が暗号化されていない実態も判明した。大量の個人情報を管理するIT企業にとり、プライバシー保護は命綱だ。信頼が揺らげば経営に直結する。
各社は対策を迫られている。1日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、グーグルやマイクロソフト(MS)がシステム強化を検討中だ。ただ、暗号化は「技術的に難しい」(グーグル幹部)上にコストもかかるため、頭痛の種となりそうだ。
リベラルな民主党を支持するIT企業が多いシリコンバレーは、オバマ米大統領の後ろ盾になってきた。盗聴問題で政権との軋(あつ)轢(れき)が強まれば、こうした「蜜月」関係は危機にさらされ、オバマ政権への打撃となりそうだ。