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日銀、割れる物価上昇目標 政策委 「慎重派」増す存在感
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日銀の政策委員の間で、2%の物価上昇目標をめぐる見解の相違が際立ってきた。10月末に決めた「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」には、2年後の達成に懐疑的な3委員が反対。市場では目標実現のため日銀が追加緩和に踏み切るとの観測が広がる。28日の外国為替市場では、反対した白井さゆり委員の発言をきっかけに、円安が1ドル=102円台と半年ぶりの水準まで進んだ。
「躊躇(ちゅうちょ)することなく追加緩和するべきだ」。27日、徳島市で講演した白井氏の発言が伝わると、海外市場を中心に円安が進行。白井氏は物価目標の達成に「ある程度の時間を要する」と述べ、経済や物価の先行きに下振れリスクがあるとの考えを強調した。
木内登英委員は一段と慎重な見解を持つ。26日の講演で「2年程度での達成は容易でないだけでなく適当でもない」と指摘。「物価安定目標に向かった道筋を順調にたどっている」と話す“強気派”の黒田東彦(はるひこ)総裁に異を唱えた。
もっとも木内氏は、同様に展望リポートに反対した佐藤健裕委員とともに、4月の大規模緩和策の導入直後から慎重な意見を示してきた。ここにきて白井氏が懐疑的な見方に転じ、さらには宮尾龍蔵委員も景気に「下振れリスクを意識している」と述べるなど、9人の政策委員内で“慎重派”が存在感を増している。景気や物価に4人が下振れを懸念する背景には、黒田総裁も「やや勢いがない」と認める新興国などの海外の不透明感がある。
また、円安による輸入物価の引き上げ効果が来年度以降小さくなるため、「消費者物価上昇率は来年度に頭打ちになる」(ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長)との見方が根強い。民間調査機関は、2年程度で2%の物価上昇目標は困難との見解が大勢だ。
農林中金総合研究所の南武志主席研究員は「米国の量的緩和縮小などの動きがない限り今後も円安が続くかどうかは分からない」と分析。労働者の賃金上昇がともなうような物価上昇でなければ、2%の物価上昇目標の達成は見通せないと指摘している。