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会見に辞任のみずほ会長現れず 「消極姿勢の表れ」と識者批判
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会見するみずほフィナンシャルグループ(FG)の佐藤康博社長=26日午後、日本銀行(三尾郁恵撮影) 「これまでの不祥事の教訓が生かされなかった。縦割りの企業風土があった」。みずほ銀行が信販会社との提携ローンで暴力団関係者への融資と知りながら放置していた問題は26日、持ち株会社トップである塚本隆史・みずほフィナンシャルグループ会長(63)が辞任する事態に発展した。会見で同社の佐藤康博社長(61)は陳謝したが、会見場に当事者の姿はなし。早期に幕引きを図りたい同行だが、対応に不満を覚えた株主が告発状を既に提出しており、信頼回復への道のりは険しい。
「改めておわび申し上げたいと思います」。東京都中央区の日本銀行本店で行われた記者会見では冒頭、佐藤社長ら幹部が出席し、カメラのフラッシュを浴びる中、20秒以上、深々と頭を下げた。
ただ、来年3月末での辞任を決めた塚本氏は会見に出席せず、今後の予定もなし。佐藤社長は「私が説明することで十分と考えている」とした。塚本氏が職を退いた理由について、「何の責任というよりは、今回の事態を総合的に考えて、本人が判断なさった」と述べるにとどめたほか、自らは辞任する考えはないと繰り返して強調した。
問題が起きた理由については、「縦割りの組織で情報の共有ができなかった」という説明を言葉を変えて展開した。
暴力団関係者への融資問題は9月27日に発覚したが、この日に会見はなく、説明責任を求める声の高まりを受けて、ようやく1週間後に会見を開いて事情を説明するなど、対応は後手後手に回った。「もう少し詰めてからと思ってしまった。起こってしまったことへの謝罪の会見があるべきだった」と振り返った。
同行をめぐっては、平成23年3月に大規模なシステム障害が起きた際にも、会見が遅れ批判を浴びた経緯がある。「広報や組織防衛上の管理で教訓が生かされていない。今回も不十分性があったとの認識は持たざるを得ない」と話した。
融資をめぐっては、金融庁に虚偽の報告をしたなどとして、同行の株主が同行や同行職員に対する銀行法違反(虚偽報告、検査忌避)罪での告発状を東京地検特捜部に送付している。
佐藤社長は「(地検など捜査機関から)何も話がないので何も言えない」とコメント。暴力団関係者の融資への対応で「違法性はなかったのか」と問う質問には、「告発状が手元にないのでわからない」とだけ答えた。
危機管理コンサルタントの田中辰巳氏(60)の話 「本来は世間が驚くような確実な再発防止策や厳しい処分を行わなければならなかったが、最もやってはいけない節約貯蓄型の危機管理に終わった。処分を小出しにしてきた上に塚本隆史会長自らも会見の場に出てこない。これで納得してもらおうとする消極的な姿勢の表れであり、国民や預金者の理解は到底得られるはずがない。役員報酬のカット額拡大なども真新しさに欠く。信頼は大きく失墜し、これからは世間や金融庁などの監視の目がいっそう強くなるだろう」
みずほ銀行の前身、旧第一勧業銀行出身の作家、江上剛氏(59)の話 「経営者の無能さがここまで問題を拡大した。問題発覚後の最初の会見に事情を把握していない副頭取を出したり、塚本隆史会長が当初、銀行の会長だけを辞めたりと対応が甘すぎた。皆が傍観者になっている。新しい体制でスタートするなら、責任を取る塚本氏も会見に出席し、自らの言葉で説明すべきだった。みずほ内部の『派閥政治』が原因で、佐藤康博社長は本気で派閥を解消し、『国民のための銀行』に生まれ変わらなければならない」