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デフレ脱却と穴埋め策焦点 諮問会議、法人税下げ成功事例紹介
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税率引き下げと税収増を両立させる-。二律背反のように思えるこの経済政策を実現するため、経済財政諮問会議の民間議員が着目しているのが欧州諸国の成功例だ。日本がその先例にならうためには、企業業績を下押しするデフレからの早期脱却と、引き下げに伴う税収の“穴”をどう埋められるかが鍵を握る。
「法人税率を下げても、税収が減少したのはデフレによる低成長が主因」。民間議員は20日の経済財政諮問会議で、日本は1995年から2004年に法人実効税率を10ポイント下げたが、法人税収はその10年間で約5兆円も減ったことを引き合いに、こう総括した。民間議員の分析によれば、デフレ状態だった日本とは対照的に、10年程度で10ポイント程度の税率引き下げを行ったドイツや英国では逆に税収が5%前後伸びたという。2国が二律背反の問題を克服し成功したのは税率引き下げによる経済成長に加え、それと同時に実施した、政策減税など課税対象範囲の拡大が寄与したと分析してみせた。
「デフレを脱却し、経済を強めれば、日本の35.64%の法人実効税率はアジア諸国並みの25%程度に下げられる」。民間議員の一人は会議でこう言い切った。
民間議員の提言からは、税率引き下げで、日本経済の好循環が加速すると読み取れる。問題は財政再建との兼ね合いだ。日本は年間の税収の20倍に及ぶ1000兆円以上の借金を抱えている。財務省試算によれば法人実効税率を1%下げると約5000億円の税収減になる。税率を引き下げても企業がその分を内部留保にため込めば、税率引き下げ分だけ財政は悪化する。そこで保険として重要になるのが税率を引き下げた場合の税収の「穴」を埋める項目だ。
所得税など他の税目の増税が難しい中で、最も実現性が高いのが減税項目の見直しによる課税対象範囲の拡大。現在、日本の法人税に対する主な減税策には特定業界を優遇する租税特別措置や、企業が赤字になった場合に翌期以降の黒字から差し引ける「欠損金の繰り越し控除」などがある。こうした制度を見直せば、その分、法人税の課税範囲が増えて実効税率の引き下げに伴う税収減を補える可能性がある。
法人実効税率下げを、日本でも税収増につなげられるか。甘利明経済再生担当相は20日の会見で「経済成長と財政再建に資する方策の議論を深めていきたい」と述べ、政府税制調査会や自民党税調で国力強化につながる法人税改革の議論を加速させる意気込みを示した。政権の本気度が試される。(今井裕治)