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ガス小売り自由化は「法的分離」前提 導管部門別会社化、保安体制に不安

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

ガス小売り自由化は「法的分離」前提 導管部門別会社化、保安体制に不安

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 2017年をめどとする都市ガスの小売り全面自由化は、都市ガス大手3社のガス導管部門を将来的に別会社とする「法的分離」を前提とすることで方向が固まった。政府は、新規参入する事業者がガス導管を使いやすくすることで市場競争を促したい考えだが、別会社化することで災害時のガスの保安体制が保たれるかなどの課題は棚ざらしのままだ。別会社化の実施時期などについて、今後も慎重な議論や環境整備が求められそうだ。

 都市ガス販売の自由化は電力よりも5年早い1995年から段階的に始まったが、200超の事業者が地域ごとに小口向けの販売を独占している状況だ。

 新規参入者は大手都市ガスなどが持つ導管を使ってガスを販売する必要があるが、利用料を不当に高く設定された場合、参入しにくくなる恐れがある。

 電力業界では、小売り全面自由化が都市ガスに先行して2016年に迫る。発電部門と送配電部門を切り離す「発送電分離」も18~20年に実施する方向だ。

 それだけに、大手電力は「エネルギー間の公平公正な競争のためには、ガスの導管分離は必要だ。新規参入者にとって公平な競争条件となることが重要だ」(幹部)と、都市ガスの自由化も電力と足並みをそろえるよう強く求めている。

 これに対し、都市ガス業界では導管部門の別会社化への抵抗感は根強い。

 大手幹部は「これまで全社的に災害対応や安定供給ができていたが、別会社化すれば困難になる。何らかの対策を考えねばならない」と頭を抱える。

 導管部門の別会社化は、保安体制のほか経営にも影響する。会社の規模が小さくなれば、コスト負担が過大になったり、資金調達が困難になるリスクもある。

 別会社化の対象は全国の都市ガス販売の約7割のシェアを握る東京、大阪、東邦の大手3社に限定された。このため中小ガス会社の導管についても、新規参入者が公平に利用できる仕組みなどが必要となりそうだ。(宇野貴文)

 ■経産省が計画するガスと電力の自由化

  2015年  広域的運営推進機関を設立(電力)

    16年  家庭向け小売りを自由化(電力)

    17年  家庭向け小売りを自由化(ガス)

 18~20年  送配電事業の法的分離(電力)

 19~21年? ガス導管事業の法的分離(ガス)

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