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【イスラム国殺害脅迫】後藤さん母会見詳報(上) 「地球を大切に…私はそれだけを願う」
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日本外国特派員協会で会見し、涙をぬぐう後藤健二さんの母、石堂順子さん=東京・有楽町(宮崎瑞穂撮影) イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の人質となっているフリージャーナリスト、後藤健二さん(47)の母、石堂順子さん(78)の23日の記者会見でのやり取りの詳細は次の通り。
《会見の冒頭、石堂さんは報道陣に配布した声明を読み上げた》
本日は大変お忙しい中を貴重なお時間を取っていただいて、一生忘れません。私は、石堂順子と申します。ジャーナリストである後藤健二の実の母親でございますが、日本国民、そして日本政府の方々、そしてここにお集まりの方々に感謝とご迷惑をおかけしますことをお詫び申し上げます。
昨日ですね、健二の妻である嫁と初めて電話で交信いたしました。聞きますと、2週間前に赤ちゃんが生まれたそうです。私はびっくりいたしました。「生まれたばかりの2週間しかたっていない子供を置いて、なぜ遠いところへいったのですか」と質問しました。そうしましたら、先に拘束されている知人を助けるために、救出するために、何が何でもという形で飛んでいってしまったと申しておりました。
私はその時感じたのですが、この地球は大切にしなければいけない。たった一つ、私どものために、神がつくってくださいました、自然がつくってくださいましたものを、なぜその貴重なプレゼントを壊すのか、私にはわからないのです。原子力を使い、地球を汚し、大気圏も汚して、そして何を求めようとするのか。私には全然分かりません。
今日こうやって皆さんにお会いすることも、どこで聞いたのか、私の近いところからは、この会見をやめるようにという電話がいっぱい入っております。しかし、それは間違いだと思います。皆さまがお忙しい中、人類のために、そして身近では私どもの拙い息子のためにお忙しい中を時間を作ってくださったものですから、感謝を申し上げる。これが当たり前ではないかと思いまして、電話を無言で切らせていただきました。
私はこの3日間、ただただ何が起こっているのか分からず、悲しく迷っておりました。健二はどういう子供であったかと申し上げますと、小さい頃から、いつもいつも心優しく接していた子供です。ですから、自分のところにまだ出産したばかりの奥さんをおいて、生まれたばかりの乳飲み子を置いて出かけていったのだと思います。昨日、その奥さんと名乗る方と初めて電話で交信いたしました。
そして、私が驚いたのは、赤ちゃんを産んでまだ2週間にもたっていないということなんです。私は健二に憤りを感じました。なぜそんな乳飲み子を残しながら、行くのかと。友達が、友人がといっても、その2週間しかたっていない子供を守ってあげるのは親しかないじゃないですか。心優しい子、正義感に燃えている子といっても、そこのところが解せませんでした。
私は不思議で成らないことがございます。それは、自分たちの地球を自分たちで壊すということです。原子力、原子爆弾、そういったものを研究して、私どもが感謝しなければいけない地球を壊していく。そこに生活している弱者を落とし穴につっこんでいく。そのエネルギーがあったら世界平和のために、これから地球を守っていく、そういった課題になる将来を抱えた子供達のためになるよう、考えを持つべきだと非常に思っております。
私は今こみ上げてくる涙を隠しておりますが、それは先ほど申しました原子力の問題です。地球を駄目にする、お水を駄目にする、すべてを駄目にするそれを一時の感情でドンパチやるということを、それをぜひ阻止しなければ行けないと思います。
《続いて、報道陣とのやり取りが始まった》
--今のお気持ちは。イスラム国へのメッセージはあるか
「イスラムの方々も私どもと一緒に地球の平和を考えて、素晴らしい地球が作れるのであれば、私の命などはどうなってもよろしゅうございますので。私はそんなに良い頭を持っておりませんので、ぜひ皆様からお知恵をいただければうれしいと思います」
「そして、イスラム国の皆さんに申し上げます。健二はイスラム国の敵ではありません。釈放を願って、イスラムへ単身渡った子です。イスラムの国といっしょに恨みつらみはやめて、良い地球を作っていただければ、ここにお集まりの皆さんも、全員の方々がそのような願いであると信じています」
「私の命で替えることがあるのであれば、私は自分の命を提出することに何の抵抗も感じませんので、健二は正義感のつよい子供ですので、釈放していただけましたら、良い結果が出ましたら、きっと地球のためにも、子供達のためにも、未来のためにも尽くしていける子供だと思います。健二はイスラム国の敵ではなく、自分の2週間しかたっていない子供を置いてまでイスラムへ渡った人間です」
「日本は随一の被爆国ですが、被爆の後も、その地球は散々たるものでした。こういったものは、私の命と替えるのであれば、私の命なんていうものは粗末なものですので悔いはいたしません。地球を大切にしていただきたい。私はそれだけを願っています」