ところが、鈴鹿はJFL初参戦で経験や実績に乏しく、人選はエージェントや代理人に依頼する一方、インターネットの検索サイトで「サッカー 女性 監督」と検索するほどの手探り状態だった。そして、どうにかオファーを出した複数人のうち、最初に返事があったのがミラグロス監督だった。
サッカーの女性指導者で、スペイン男子の3部チームなどの指導経験のある佐伯夕利子さんからも推薦されたといい、吉田常務は「一流の男性監督にひけをとらないサッカーインテリジェンスや知識、戦術を持っている。何よりも反応の早さに彼女の熱意を感じた」と話す。初の女性監督を迎えることも「変化の象徴」として、チームに刺激を与えると期待している。
言葉の壁
懸念されるのは言葉の壁。フィリップ・トルシエ監督時代の日本代表の活躍には、通訳だったフローラン・ダバディ氏の貢献が少なくないといわれる。
ミラグロス監督の場合、急遽決まったこともあり、就任会見では暫定的にスペイン語ができるクラブ関係者の知人のペルー人男性に通訳を依頼し、時折、意思疎通に手間取る場面も見られた。
1月22日から始まった練習では、地元のペルー人女性がミラグロス監督の話を聞き、日本語と英語でチームの日本人コーチに伝え、日本人コーチが選手に伝えるという2段階通訳。練習の意図や注意点などデリケートな部分については十分とはいえない状況が続いた。
そこで、クラブはスペインでプレーヤーの経験もある小沢哲也さんを通訳兼アシスタントコーチとして迎えた。
攻撃的に変化
鈴鹿のこれまでのサッカーは守備が中心。守ってからのカウンターやセットプレーなどで数少ないチャンスをものにしてきたが、ミラグロス監督が目指すのは「攻撃的なサッカー」だ。