戦い方の変化を選手たちは「プレーしていても楽しいと感じるサッカーなら」と歓迎する。テクニカルディレクターも兼ねるミッドフィールダーの小沢司選手は「選手個々の良さを引き出してくれる」と新指揮官の指導を評価。言葉の壁についても、育成コーチの近藤雄一さんは「選手たちは、理解しようとする意識が強くなった」と思わぬ効果を指摘する。
「選手は献身的で協力的。チームワークも良く、とてもよく練習する」。こう話すミラグロス監督は「スペインは常にボールを保持して相手を崩すサッカーだが、日本人はスペイン人よりフィジカルが強く、よく走る。長所を融合して、きっとおもしろいサッカーをお見せできると思う」と手応えを感じている。
無謀な挑戦ではなくチャンス
クラブの本拠地、鈴鹿市は市長、教育長、商工会議所会頭とも女性だ。ミラグロス監督は「スペインで女性市長は珍しくない。女性だからと特別な意識はしないが、女性の活躍が目立つのはいいこと。ともに頑張りたい」と話す。
日本については、「人がやさしくて温かい。本当に暮らしやすい」といい、日本食は、「おでんとラーメンがおいしかったけど、すしはまだ。リーグ戦で勝利を挙げて、すしをつまみながら地酒で乾杯したい」という。
文化や生活習慣なども違う異国での指揮について聞かれると、「両親からは無謀な挑戦といわれたが、決してそうは思っていない。私はチャンスだと思っている。必ず結果で証明したい」と勝負師の顔になった。
鈴鹿アンリミテッドの開幕戦は3月17日、MIOびわこ滋賀と。ホーム開幕戦は24日で、テゲバジャーロ宮崎を迎え撃つ。