なぜカズは今もサッカーが楽しいのか 「幸せ基準の哲学」から考えてみた (5/5ページ)

群馬戦の前半、自身の持つ最年長得点記録を更新する先制ゴールを決め、喜ぶ横浜Cの三浦知良(中央)=2017年03月12日、ニッパツ(写真=時事通信フォト)
群馬戦の前半、自身の持つ最年長得点記録を更新する先制ゴールを決め、喜ぶ横浜Cの三浦知良(中央)=2017年03月12日、ニッパツ(写真=時事通信フォト)【拡大】

 (1)の功利主義からは、ドキドキし続けるほうが快楽が増すのではないでしょうか。(2)の快楽主義からは、ドキドキに満たされて心が落ち着くという形で幸せになります。(3)のタオの思想からは、ないものではなくてあるものに目を向けて幸福になるので、恋人のままならドキドキに目を向ければ幸せになれますし、結婚なら落ち着いた生活に目を向ければ幸せになれるでしょう。(4)の禁欲主義からは、ドキドキをあきらめたほうが幸せになれるでしょう。

 確固とした価値基準がなければ、幸せにはなれない

 このように、どの基準を採用するかで、幸せのカタチは変わってきます。したがって、自分がどういう基準で幸福を判断するのか、ここに紹介した4つの中から決めるのがいいと思います。それは自分の価値観を確認するということでもあります。

 そうすれば、どのような場面においても、迷うことなく判断することができるでしょう。大切なのは、どの基準が正しいという話ではない点です。幸せは人それぞれですから、自分が幸せだと思えればそれでいいのです。ただ、そのためには確固(かっこ)とした基準が必要なのです。自信を持って選択したという気持ちが、後悔の念を払しょくするからです。

 ぜひ幸せの基準と事例への当てはめを参考に、あなたらしい幸せのカタチを見つけてください。

 (哲学者 小川 仁志 写真=時事通信フォト)(PRESIDENT Online)