また、首都圏の方に馴染みのある「ちよだ鮨」も同様で、回転すしの「築地 銀一丁」と「築地 銀一貫」、立食いずし「築地 すし兆」などとともに、年商は138億円(2018年3月期)となっている。
ともに、回転寿司などの多角経営を展開しつつも、主力事業の「持ち帰り寿司」はちゃんと継続しているのだ。
小僧寿しは何が問題だったのか
そういうライバルたちの状況を踏まえると、今回の現象は、「持ち帰り寿司業態の限界」などではなく、「小僧寿しという業態の限界」と捉えるべきなのだ。
では、小僧寿しは何が問題だったのか。
「麺や小僧」なんてラーメン事業や宅配寿司事業など手当たり次第で参入したのが悪いという専門家もいらっしゃるが、先ほど紹介したように、ライバルは多角経営で成功を収めている。そこまで奇策に打って出たわけではないのに、小僧寿しだけがここまでひどい結果になったのはなぜか。
いろいろなご意見があるだろうが、個人的には、人口右肩上がりで、需要も右肩上がりということを前提とした「昭和のビジネスモデル」から脱却できなかったことが大きいと思っている。つまり、明日は今日よりもプラスになる、来年は今年よりももっと成長をしている、という「右肩上がり幻想」にとらわれた経営判断を下し続けてきたことのツケが回ってきたのだ。
平成生まれの方たちには、あまりピンとこないかもしれないが、1972年に設立された小僧寿しほど「昭和」を体現した外食チェーンはない。