高論卓説

アイデンティティーを早期に確立せよ ブランド生態調査に見る現代事情 (2/3ページ)

吉田就彦

 COS→H&Mの姉ブランドのCOSは好き。ラインがきれい。手洗いできるのも良い。群言堂→流行に流されず、古くならない。天然素材が多く、シックな色合いが良い。ユニクロ→コスパ良すぎでしょう!という具合だ。

 この結果から得られた消費者に対する知見は、領域を超えてブランドの好みが相関していること。例えば、「メルセデス愛好者は家電領域では回答者全体より突出してダイソンが好き」などと出る。SNS時代になってさらに顕著になった個的なブランド体験がいかに大きく消費に影響を与えているかということ。調査結果で最も強いブランドがディズニーであることが示すように、体験が潜在意識の中にそのブランドを刷り込むということが明らかになった。

 もう一つは、人の心をのぞく調査であることから、人の指向性は同じようなグループを構成することがはっきりしたこと。人の生活視点に立ったブランドのクロスマーケティングがこれから本当に重要になるということであり、メルセデスユーザーにダイソンをプロモーションすれば効率よく販売につながる。

 最も重要な示唆は、ブランドのコンセプトやブランドへの体験を通じて、そのブランドのメッセージをいかに方向性を持って社会に示していけるかということが今後はマーケティングの主戦場になるということである。人口減少が現実化する日本で、各企業は自身のブランド・メッセージを確立することと体験化なしには、SNS社会では生き残れない。

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