また、一連の不正融資を報道で知り、「社会の理不尽さを勉強したい」との想いでスルガ株を購入したという男性は、「非常に悲しく感じる。(スローガンとして掲げる)夢先案内人のホームページへの表示は、現状を考えると地獄ではないか」と発言した。この発言に有国社長は、「リテールビジネスの原点に立ち戻り、早期に業績を安定させたい。夢先案内人の指摘は、不快に思われている方がいるのは事実だと思う。早急に対応したい」と応じた。
昨年の定時株主総会では、こうした一般の株主が意見することは稀だった。今年は一般株主が積極的に意見し、不正融資問題を契機に株主の意識も変化してきたようだ。
「投資用不動産向け融資」で新事実
ただ、一連の不正融資問題の追及を目的とした質疑も一定の成果を見せた。
スルガ銀行は、審査部が取引停止に指定した業者をCRM(Customer Relationship Management)システムに登録する運用を2008年以降、段階的に整備している。株主の男性から、「取引停止にした不動産業者が絡んだ融資はどれくらいあるか」と質問が飛んだ。これには審査本部長で今回、取締役に選任された堤智亮氏が、「2019年3月末時点で融資残高があるもので、16年4月~19年3月に実行された投資用不動産向け融資では、取引停止とした不良業者からの持ち込み案件は全体の76%。(具体的な融資)残高は6076億円。このうち、不良業者が持ち込んだ残高は4608億円」と回答した。
これは投資用不動産向け融資の大半に、「不良業者」が関係していたことを意味する。申し込み資料を改ざんして融資した案件処理に一石を投じ、今後の展開に影響を与えそうだ。