ビジネスパーソン大航海時代

10人でスピード上場の先にあるもの ブレない人生の矜持とは~航海(13) (4/4ページ)

小原聖誉
小原聖誉

 「振り返りではなく、お伝えしたいことはあります。“他人からみた成功や失敗という評価はどうでもいいんじゃないか“と。自分自身が納得して“自分の人生を生きて”いることが真の成功ではないかと思っています。その視点から私は自分にまだまだ満足していません」

 もう少しそのお話をお聞かせください。

 「私は日本の画一的な教育にずっとアンチなんです。皆が同じことができることが評価の基準となっている。つまり、誰かに与えられた問題を正しいものとして、その問題に疑問を持たずに、ひたすら回答を出すことが求められる教育。大学や就職も周囲の流れに乗せられている。既存の社会構造に従順な人を養成するには最適な教育制度です。右肩上がりの今までの日本であればそれも良かったのでしょうが、グローバル化した世界、少子高齢化や人口減少が進む日本、与えられた問題に回答を出すことはほとんどAIが代替することが決定的なこれからの世の中において、日本はそれをやり続けるのかと。完全にゲームのルールは変わったのです。いまの日本人を見ると不安です」

 「顕在化していない問題を見つけ出し、そしてその問題を試行錯誤しながら解決できる人が必要とされると思います。そのためには、周囲に流されて進むのではなく、自分で考え決断していくことが重要だと思います。それが、せっかく生まれたんだから『自分の人生を生きる』ことにもつながるのではないかと思っています。自分の責任で自分の人生の進め方を決断するトレーニングが足りていない、日本で経営者や起業家が少ないのはそこに原因の一端があるのではないかと感じています」

 最後に質問です。その気持ちを持った伊藤さんはこれから何に取り組まれますか?

 「日本の停滞感を打破したいですね。そのためにまず起業家を支援します。自分の今までの経験を伝えることにより、サポートができると思います。とくに応援したいのは女性起業家です。優秀な女性は多いのに日本では活かされていないと感じるからです。ライフイベントがあって、例えば一度主婦になるとリスタートが難しい国だと思いませんか? 私は、どんな状況でも自身が主導権を持てるように、高校生の娘にも起業を勧めています。ビジネスの規模の大小ではなく、副業でもいいですし、人生の選択肢を常に自分が持っている状態であることが大切なのです。そういう意味で、今後の日本で益々必要とされる人生の複線化のお手伝いをしたいと思っています」

 伊藤さんありがとうございました。

1977年生まれ。1999年より、スタートアップのキャリアをスタート。その後モバイルコンテンツコンサル会社を経て2013年35歳で起業。のべ400万人以上に利用されるアプリメディアを提供し、16年4月にKDDIグループmedibaにバイアウト。現在はエンジェル投資家として15社に出資し1社上場。
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ビジネスパーソン大航海時代】は小原聖誉さんが多様な働き方が選択できる「大航海時代」に生きるビジネスパーソンを応援する連載コラムです。更新は原則第3水曜日。アーカイブはこちら

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