私が経営する経営者JP社では経営層・幹部層のキャリア支援・採用や転職の支援を行なっていますが、そのベースの理論の一つとして「経営人材」「幹部人材」それぞれの定義を持っています。
「経営人材」とは一般的肩書きで言えば社長・役員など経営層の人を指し、「幹部人材」とは部長・課長など中間管理職層を指します。ただし、私たちは肩書きを言っているのではなく、企業組織における役割の違いにアプローチしています。
- 幹部人材:自分の働き(稼働)に対して報酬を貰う人 VS 経営人材:会社、事業から出た収益から報酬を貰う人
- 幹部人材:経営や事業の「目的」「目標」「課題」に応える人 VS 経営人材:経営や事業の「目的」「目標」「課題」は何かを設定する人
- 幹部人材:給与を貰う(という意識の)人 経営人材:給与を払う(という意識の)人
- 幹部人材:会社の「問い」に答える人 経営人材:会社の「問い」を立てる人
「雇われる側の目線」対「雇う側の目線」といえば分かりやすいでしょうか。この違い・差から、決して「幹部人材」として頑張り優秀であることの延長線上に「経営人材」がある訳ではないことを認識いただけることと思います。
さてそこで、よき経営参謀とは、自分の立ち位置としては幹部人材立ち位置(中間管理職としての部長、課長等)でありつつ、行為は「経営人材代行」ができる人です。杉田さんも次のように言っています。
「参謀の仕事は、与えられた問いに答えを出すことではない。自ら正しい問いを立て、『なぜ今、それを解くべきか』について経営層と合意形成を図る。さらには問いを突きつけることで、経営層に意思決定を迫ることにある」(『プロフェッショナル経営参謀』)
いま強く求められているのは経営者・経営陣を頼もしく支えてくれる参謀幹部です。そうした人がこのウィズコロナ下での大変革期に抜擢され、あるいは外部から幹部採用されています。何よりもこれらの経験と実績こそが、あなたを将来、経営陣~社長になる人へと導くのです。
【社長を目指す方程式】は井上和幸さんがトップへとキャリアアップしていくために必要な仕事術を伝授する連載コラムです。更新は原則隔週月曜日。アーカイブはこちら