上野投手「自慢できる街」
実際、暮らしやすさは定評がある。シンクタンクの一般財団法人「日本総合研究所」(東京)が分析した「全47都道府県幸福度ランキング2020年版」(東洋経済新報社)の中核市部門で高崎市は、全国3位となった。富岡市長は「高崎はマンションを建てるときも、売り出す前に注文がくるほど需要が多いです。『住みやすい』という口コミが広がっていくとうれしいです」と話す。
高崎は日本のほぼ中央に立地する交通の要衝として栄えてきた。かつては中山道と三国街道、今は上越新幹線と北陸新幹線、関越自動車道と北関東自動車道が分岐する。「新幹線の中継駅として、いろんな方角に行くことができます」と宇津木監督。観光シーズンには大勢の観光客でにぎわう避暑地の軽井沢(長野県)も、高崎駅から北陸新幹線でわずか約15分の距離だ。
交通の結節点には多くの物資や人が集まる。家電量販店最大手のヤマダ電機など市内に本社を構える大手企業も少なくない。現在は東京に本店を置くビックカメラも高崎で創業している。商工業の街として発展を遂げた高崎市の人口は、県庁所在地の前橋市をしのぐ約37万人。駅前やバイパス沿いには商業施設が立ち並ぶ。
「九州出身なので、最初は寒さが厳しかった」と本音も漏らした上野投手だったが、「いろんな人に自慢できる街だと思います」と太鼓判を押すと、富岡市長が思わず笑みを浮かべる場面も。
高崎と言えば名産品の「縁起だるま」が有名だが、数々の映画やテレビ、CMなどのロケ地でもある。これはロケの際の調整など映像関係者をサポートする「高崎フィルムコミッション」(FC)の存在が大きい。賑わいのある街には喫茶店や飲食店、公園も多く、憩いの場となる「サードプレイス」も充実している。歴史と芸術・文化が調和した街といえそうだ。