社長を目指す方程式

大型商談も採用面接も面白いように上手くいく「4つの質問」 (1/3ページ)

井上和幸
井上和幸

《今回の社長を目指す法則・方程式:ニール・ラッカム「SPIN(質問説得話法)」》

 新年度も最初の四半期が過ぎ、新体制でのチームコンディションや部下たちのアベレージの力量が見えてくる頃ですね。リモート商談で、ビフォーコロナ以上に提案シナリオ構築力、コンサルティング的なコミュニケーション力が営業の成否を決定づけるようになっています。上司としては、その点での部下育成も喫緊の課題で、コロナ下で自チームの成績を左右する要因でもあります。

 コンサルティング営業や提案型営業を教えたいと思って、いざ伝授しようとしても、今ひとつうまく説明してあげられない。ううむ、口で言ってできるものでもないしなぁ。結局はセンスの問題だろうか…。

 そう思ったあなた。コンサルティング営業、提案型営業には具体的な型があります。今回はその中でもわかりやすく実践的な方法をご紹介しましょう。

 大型商談における最も効果的な営業術

 セールストレーニングでフォーチュン500企業の多くを教え、成果を挙げ続けたことで著名なニール・ラッカムの提唱したセールスコミュニケーション法に、「SPIN(質問説得話法)」があります。これは、特にB2Bの大型商談において、売り込まない会話で絶大な効果をあげる手法です。

 SPINは「Situation Questions(状況質問)」「Problem Questions(問題質問)」「Implication Questions(示唆質問)」「Need-payoff Questions(解決質問)」の頭文字を取ったもの。この流れの通りに質問をしていくだけで、あら不思議。しっかりコンサルティングセールスが完成するのです。

 優れているのは、SPINでセールスされた相手は、売り込まれたとも押し付けられたとも思わず、相談に乗ってもらった上で自らの意思で解決策となる商品やサービスの購買・導入を決定したと思ってくれることです。

 そもそも営業にはB2Cの営業(個人の消費者相手)とB2Bの営業(法人相手)があります。そしてB2B営業には、小型商談(少額案件)と大型商談(高額案件)があります。ニール・ラッカムは、長年のセールスの研究(12年に渡り世界3万5000件の商談を調査研究したとか)から「小型商談で成功したスキルは、大型商談では致命症になる」と喝破したのです。両者の売り方は全く異なる。特に大型商談での失敗、売れない営業の共通項は、大型商談で小型商談の売り方をしていることにあるのです。

◆小型商談と大型商談の違い

 ◎小型商談:買い手は一人で意思決定する、できる。1回の商談で終わる。商品知識、スペックで勝負。多少の損は許容範囲。御用聞き型営業が通用する。押しの一手が結構通用する。

 ◎大型商談:複数の人間が関わり、商談が数週間、数カ月続く。顧客の課題解決となることが必須。高額であり失敗は許されない、購入担当者の責任問題になりかねない。押しの一手は通用しない、逆に出入り禁止となる可能性大。

 小型商談ではうまくいった営業スタイルが、大型商談では通用しない。それどころか、そもそも関係を持つことすら相手に嫌われかねない(出入り禁止となる)わけです。あなたの部下に中途で採用した人がいた場合、前職と御社での適する商談スタイルの違いがないかなども、業績との相関関係をチェックする際に気に留めたい部分です。

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