「ビジネス視点」で読み解く農業

スマート農業だけで終わらせないために 農業の「DX化」を考える (1/4ページ)

池本博則
池本博則

 DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉はここ数年ビジネスシーンで本当によく活用されるキーワードとなってきました。DXの定義は「デジタル技術によって、私たちのライフスタイルをより良いものにしていく取り組み」で、企業のイノベーションに関する文脈で使われることが多いですよね。でもDXは対象が常に企業であるとは限らず、私たちの日常生活においてもDXの余地はありますし、もちろん農業という産業においてもとても大きな実践の余地があります。

 農業ビジネスの最前線をご紹介していくこの連載ですが、前回までの数回は農業振興側の様々な取り組みということで、宮崎県と埼玉県深谷市の取り組みについてご紹介をさせていただきました。今回は農業のDX化についてお話をさせていただきたいと思います。

 農業のDX化についてお話する前に、DXをどう進めるべきなのか? について6つのステップに分けてお話いたします。

 DXを実現していくためにはこれらのステップをしっかりと踏んだ上で推進することが必要です。

■DXの進め方

ステップ1:目的、ビジョンの策定をおこなう

 DX化に取り組むためにまず一番最初に必要なこと。それは取り組むべきテーマ、事業についてDX化をするその目的、ビジョンの策定をおこなうこと。

 ここ1年のDX化という動きをみていて、「なんちゃってDX」がとても多いような気がしています。「私たちの事業をDX化していくんだ!」と意気揚々と取り組んではいるものの、実は本質的な目的やビジョンの追求は希薄で、何をどうDX化していくのかが全く議論されていないケースも散見されます。これでは、何をやっているのか皆目目的が無いため、当然、途中で挫折したり、曖昧な打ち手で終息するケースが多くなってしまいます。

 いちばん大切な「何に対してどういう改善や期待を込めて取り組むのか?」その部分がとても大切な要素となるわけです。

ステップ2:まるごとデジタル化を想像し、データの蓄積をおこなう

 DXのセカンドステップとしてはデジタル化が必要となってきます。ひとまず業務内容をすべてデジタル化に置き換えることで、DXの土壌を作り出し、データの蓄積が可能となります。ポイントは「すべてデジタル化」に置き換えた想像からはじめること。今のビジネスや活動のすべてにおいてデジタル化に置き換え、データ化しうるところはどこか? どの部分のデータの蓄積を実行するか? そういった点を徹底的に検討する必要があります。

ステップ3:自動化・効率化を推進する

 デジタル化によって蓄積されたデータを活かし、ツールの活用に応用していくことで、業務の自動化や効率化を勧めていくことが出来るようになります。自動化・効率化は最もDXの効果を実感することが出来るポイントですし、ここでの効果や反省点を、いかにPDCAを回し修正出来るかが更なる推進を実現するための大きなポイントになっていきます。

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