「ビジネス視点」で読み解く農業

スマート農業だけで終わらせないために 農業の「DX化」を考える (2/4ページ)

池本博則
池本博則

ステップ4:浸透させ、取り組みをつなげる取り組みを共通化する

 DXは定めた目的やビジョンに基づいて、そのテーマに対しての全体での活用していくことが目標ですが、いきなり隅々にまで行き渡らせることは困難です。

 少数のPJ、組織でまずは全体の問題からピンポイントの部分を抽出し、自動化・効率化していく事がステップ3で進めている取り組みとなっていることが想定されます。ステップ4ではそこから効率化の実績を作ることができたノウハウをみんなで共有することになります。

 この共通のDX化を浸透させることで蓄積されたこれまでのデータの活用の幅を広げること、そして新たなデータを獲得し、より効率的なシステムの構築を促進していくことが可能となります。

ステップ5:共通化されてきたものを束ねて組織化する

 促進によって共通化されてきたDXを全体で運用できる仕組みに変革させ全体のプロセスを組織化することにより、一連の事象すべての歯車がかみ合うようチューニングしていきます。

ステップ6:未来永劫続く取り組みにするため最適化する

 そして未来に継続していく産業にしていくために、DXが未来永劫続く取り組みとして最適化されていくサスティナブルなものかどうかがとても大切になります。

 結局5年後、10年後に残らない取り組みであるならばお金や時間の無駄なのです。

 上記のようなステップを通してDX化は推進されていくものであると思います。

 DX化に成功していると巷ではその成功事例が取り沙汰されたりするケースが増えていますが、まだまだ企業においても産業においてもDX化を志向するすべての取り組みはきっとまだまだ発展途上の状況じゃないかと個人的には想っています。

 私が述べたDX化にむけたこうした取り組みはとても難しいし、とてつもない労力がかかるものであるし、今までの取り組みからの大きな変容を受け入れる意志の強さ、そして学ぶ力が必要になる取り組みだなととても感じています。

 自動化・効率化だけを実現している打ち手のみのDX化も多く存在していると思います。根本はその取り組むための目的、ビジョンがあり、そして施策の先に継続性があるかどうかその部分がDXの本当に大切な部分だと私は推測しています。

 私のDXについてそしてDX化に向けた今の状況についての見解を述べさせていただきましたが、ここからは今、農業界がどうDX化への取り組みが進んでいるのかについてお話をさせていただこうと思います。

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