かつての“デフレの申し子”の吉野家が、泥沼のデフレ・スパイラルに陥っている。すき家や松屋の「牛丼安値」包囲網に対抗するため、280円の新メニューを投入したが、客数は増えても、1人あたりの単価が下がり、売り上げが落ち込んでしまったのだ。吉野家の反転攻勢は裏目に出てしまうのか。
まず客足回復狙う
「既存店売上高と客数を回復させる必要がある」
安部修仁社長は、ある程度の単価の下落は覚悟の上で、280円メニューの投入を決断した。
9月7日に発売した「牛鍋丼」は、明治時代に東京・日本橋にあった魚河岸で、豆腐や野菜と煮込んだ牛鍋の具をごはんにかけて食べる「牛鍋ぶっかけ」を再現。創業111周年を迎えた吉野家の牛丼の“起源”と位置づける自信作だ。
「インパクトがあった」(安部社長)が自賛する牛鍋丼は、発売から1カ月足らずで1000万食を突破。9月の既存店売上高は前年同月比5.9%増と、実に19カ月ぶりに前年を上回った。来店客の約6割が牛鍋丼を注文した結果、客単価は15・0%減とダウンしたが、来店客数が24・5%も伸び、カバーした。
1カ月で失速
だが、牛鍋丼効果は、わずか1カ月しかもたなかった。10月の既存店売上高は、3・8%減となり、再び水面下に沈んだ。
昨年10月は牛丼3杯で1杯が無料になるキャンペーンを実施提供のセールを実施しており、吉野家では「その反動が影響しており、失速していない」と説明する。
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