(5)議長解任、再処理費ゼロ、役員削減…株主提案を次々否決に戻る
《八木誠・関西電力社長の取締役解任を求める株主提案が反対多数で否決された後、会社提案の議案審議に移った。取締役19人の選任を求める議案を森詳介会長が採決に移ろうとしたところ、株主から動議が上がった》
株主「取締役にしてはいけない人が1人います。一括選任ではだめ。個人の名前を出すのは恐縮ですが、天下りはやめないといけません」
《経済産業省出身の迎陽一氏のことを指しているとみられる。取締役選任を個別に行う動議は否決された。その後、取締役選任の議案は賛成多数で可決。森会長は新任の取締役3人を株主に紹介した。次の株主提案議案の審議に移った。「監査役を6人以内とし、うち3人を環境保護NGO(非政府組織)などからの推薦とする」という内容だ》
株主「もうけ第一主義が貫かれています。監査役は世論をくみ上げ、原発事故ゼロを経営陣に迫ったことがありますか」
別の株主「関電の経営哲学が見えません。監査役がいったい何を監査しているのですか。もっと辛口に。それでなければ監査役なんていりません。21世紀のエネルギー哲学が見えないんですよ。平松市長も恐らくそのことにいらいらしていると思います」
《議案は反対多数で否決された。続いて会社提案の監査役7人選任の議案が賛成多数で可決。次の議案である株主提案は「原子力発電から撤退するまでは役員に報酬を支給しない」。涙ぐみながら株主が提案内容を説明した》
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