トヨタ自動車が、富士重工業と共同開発した新型スポーツカー「86(ハチロク)」の来春の発売に向けて、国内4つの系列販売網の全5500店から、技術サポート態勢などをもとに販売取扱店を約500カ所に絞り込む方向で最終調整していることが13日、分かった。
トヨタはこれまで4系列のすみ分けや客層の違いに配慮し、販売店の取り扱い車種をあらかじめ系列ごとに振り分けてきた。普及促進を狙う「プリウス」などハイブリッド車(HV)の一部は全販売店で扱っているが、系列を超えた事実上の選抜方式で新車の取扱店を決めるのは異例だ。
取扱店は、販売を希望する事業者のセールス戦略や店舗のアフターサービススタッフの技能レベルなどを判断材料に選定する。すでに一部の店舗では、スポーツ車専用のコーナーを店舗内につくるリニューアルも計画中だ。
「86」は、低重心で走行安定性の高い富士重工の水平対向エンジン技術を取り入れた排気量2000ccの後輪駆動スポーツカーで、トヨタは車離れが進む若年層に「車を操る楽しさ」(豊田章男社長)をアピールすることを狙っている。