トヨタ業績回復に3つの不安…円高長期化・北米競争力低下・中国市場鈍化

2012.2.7 21:54

 トヨタ自動車は7日、平成24年3月期決算の業績予想を上方修正したが、国内のエコカー補助金の復活という“追い風”が吹いたことが大きい。本業のもうけを示す営業利益は、前期比51・0%減とほぼ半分の水準にとどまる見込みだ。さらに来期以降の業績の本格回復に向けては、超円高の長期化、ドル箱の北米市場での競争力低下、出遅れている中国市場の成長鈍化という3つの不安が立ちふさがっている。

 国内で生産し、その約半分を輸出しているトヨタ単体の決算は、円高による為替差損の発生で3100億円もの営業利益が吹き飛び、最終損益は600億円の赤字となる見通しだ。国内のライバルが海外生産や日本への逆輸入を拡大するなか、円高が「国内生産300万台維持」を掲げるトヨタの体力を奪っている。

 現在、数%にとどまっている輸入部品の割合を増やすなどの対応を進めるが、伊地知隆彦専務役員は会見で、「(黒字転換には)2、3年かかる」と厳しい現状を明かした。

 トヨタの主力市場である北米では今年、19車種の新モデルを投入。大規模リコールや東日本大震災で失ったシェアの「失地挽回」(伊地知専務)に挑む。

 ただ、経営破綻から復活したゼネラル・モーターズ(GM)など米ビッグスリーは、日本勢の独壇場だったエコカーや小型車を相次いで投入。韓国の現代自動車も通貨ウォン安を背景として価格競争力に加え、品質でも日本車に迫り、シェアを伸ばしている。「トヨタのシェア低下は減産による一時的なものとはいえない」(アナリスト)との声は少なくない。

 世界最大市場である中国では、シェアで独フォルクスワーゲンやGM、日産自動車の後(こう)塵(じん)を拝している。中国の昨年の新車販売台数は前年比2・5%増と、30%超増えた一昨年から大幅に鈍化した。拡大の余地が小さくなれば、他社から奪うシェア争奪戦の激化は必至だ。トヨタは得意のハイブリッド車(HV)の現地生産に乗り出すが、「HVが受け入れられるかは未知数」(アナリスト)だ。

 「今年も正念場が続く」。トヨタ首脳も業績回復の困難さを十分に自覚している。