カレー、牛丼、ビスケット… 食品・菓子メーカーが非常食に力  (1/2ページ)

2012.2.21 22:29

 食品・菓子メーカーが非常食商品の販売に力を入れている。火が使えなくても食べることができ、長持ちする非常食は災害時に強い味方になる。東日本大震災から1年近くたつタイミングを商機ととらえ、防災意識を一層高めたい考えだ。

 メーカーの非常食の考え方に衝撃を与えたのは、江崎グリコが発売した「ビスコ保存缶」の大ヒットだ。平成23年度の「ビスコ保存缶」は前年比7倍超の出荷量。ビスコシリーズは80年の歴史で過去最高の売上高45億円を達成する見込み。

 これに対し、ロッテは今月7日から、非常食商品「コアラのマーチビスケット保存缶」(想定小売価格398円前後)を発売。平成21年から全国展開している商品で、保存期間は5年。東日本大震災の発生時には、救援物資として2万4千個が被災地に送られた。「甘くて長持ちするだけでなく、コアラの図柄には癒しの効果もある」(広報・宣伝部)。

 また、江崎グリコは昨年夏、防災対策用に加熱不要なレトルトカレー「常備用 カレー職人 中辛」を発売。カレーソースに植物性油脂を使用し、常温でもなめらかで食べやすい点が注目された。ビタミンCを加えて製品の酸化を抑制して風味の劣化を防ぎ、賞味期限を2年から3年に延長した。

 子供でも食べやすい「甘口」を加え、まとめ買い用の「3個パック」もあわせた4アイテム(希望小売価格137円~368円)を14日から発売開始した。