テレビ事業の不振などで4年連続の最終赤字に陥るソニーが、BtoB(企業間取引)分野の強化を急いでいる。高い成長性が見込まれる医療分野では、内視鏡で約7割の世界シェアを持つオリンパスとの資本業務提携に“名乗り”を上げる一方、同社初の業務用蓄電池も発売。また、新市場創出に向け節電につながる「認証型コンセント」を生み出すなど次世代の研究開発に経営資源を注ぎ込む。テレビを中心とする主力の消費者向け事業の採算悪化に歯止めがかからない中、BtoB事業を育成し、収益構造の大転換をもくろんでいる。
オリンパスに興味
「メディカルを将来のコア事業のひとつにしたい」
次期社長兼CEO(最高経営責任者)に内定した平井一夫副社長は2月2日の社長交代会見でこう述べ、医療事業の拡大に並々ならぬ決意を示した。
ソニーは医療ビジネスでは20年以上の歴史を持つ。超音波や内視鏡に映し出された画像をプリントする医療用プリンターでは白黒、カラーとも世界シェアトップ。医療用カメラやレコーダーのほか、昨年は高精細が売りの有機ELモニターも発売した。