NTTドコモが異業種と連携し、相次いで新規事業に乗り出している。13日、野菜宅配大手らでぃっしゅぼーやの株式公開買い付け(TOB)が成立し子会社化が決まったと発表。6月には健康機器大手オムロンヘルスケアと新会社を設立する。
携帯電話市場の飽和感が強まる中、通信以外の企業とタッグを組むことで、新たな収益源を育てるのが狙いだ。ただ、KDDI(au)やソフトバンクモバイルが契約を伸ばし、急速に追い上げる中、将来をにらんだドコモの“多角化”が奏功するかは予断を許さない。
食品・保険・健康…
「本当に食べられるドコモダケ(ドコモのキャラクター)ができた」。ドコモが1月、らでぃっしゅの買収を発表した後、ミニブログ「ツイッター」にはこんな投稿が踊った。携帯電話会社と野菜宅配会社という取り合わせは、消費者には少なからず珍妙に映ったようだ。
ドコモは1月末から、らでぃっしゅに対しTOBを実施。全株の約76%の応募があり、3月19日に約50億円で取得する。8月ごろに全株を取得した後、最大20%をローソンに譲渡し、ローソンが持つ物流のノウハウを活用してスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末で注文できる農作物の配送サービスを始める予定だ。
(次ページ)異業種からみれば垂涎の的