ロームは22日、炭化ケイ素(SiC)製のパワー半導体部品だけで構成した「フルSiCパワーモジュール」を世界で初めて量産し、出荷を開始したと発表した。省エネ性能が高く、太陽電池や産業用機械、電気自動車などでの需要が見込まれており、関連事業を含め平成27年3月期までに売り上げ160億円を目指す。
同製品は、SiCの使用が一部にとどまった従来のパワーモジュールより電力変換の際の損失を約5分の1に低減する。発熱も低いため冷却装置が小さくてすみ、機器全体を小型化できる。
機器の電力変換を担うインバータやコンバータに組み込むことで、大幅な消費電力削減や小型化が可能。エンジニアリング振興協会の調査では、国内の主要分野すべてでシリコン半導体がSiC半導体に置き換わった場合、原発4基分相当の省エネ効果があるという。